インプラントコラム
COLUMN
インプラントがぐらつく原因は何?ぐらついた時の対応とは
21.10.17
インプラント治療が終わってまれにですが、ぐらつきを感じることがあります。
せっかく入れたインプラントにぐらつきが出てしまうとしっかりかむことが難しくなってしまいます。
ぐらつきにもいくつも原因があるので、インプラントがぐらつく原因のご紹介とぐらついた時の対応についてご紹介させていただきます。
インプラントがぐらつく原因とは?
インプラントと被せ物をつなぐねじが緩んでいる
インプラントの構造は3つのパーツに分かれていることが多く、歯の根の部分の『インプラント』、インプラントの上の被せ物の『上部構造』、インプラントと上部構造をつなぐねじの役割をする『アバットメント』に分かれています。
インプラントと被せ物はねじで固定されていて、一定以上の力がかかると、あごの骨に負担がかかり過ぎないように、ねじが緩む仕組みになっています。
ねじが緩むと被せ物が緩んでグラグラしますが、1度被せ物を外して再度つけなおしてかみ合わせを調整することで問題なく使うことができます。
すぐに着けなおすと問題ありませんが、長い期間そのままにするとかみ合わせが変わってねじの部分が壊れる原因になります。
また、揺れをそのままにすることでインプラントに負担がかかり炎症をおこして、インプラント周囲の骨が吸収するケースもあるので、すぐに歯科医院を受診しましょう。
インプラントの埋入位置や角度が合っていなかった
インプラントは手術前にどの位置にどのような角度でインプラントを埋入するかを検討して治療計画を立てますが、
埋入時に不手際があるとぐらつきがおこることがあります。
この場合には、インプラント治療して被せ物が入るとすぐにわかることが多いトラブルです。
このようなトラブルを避けるためには、事前に行う精密検査をもとにした治療計画が大切です。
精密検査では、骨の状態を立体的に確認できる『CTスキャン』を撮影して診断すると骨の厚みや高さも細かく確認ができます。
また、インプラント手術前に画像でインプラントの埋入位置を決めてマウスピースの形をしたガイドを作製するとガイドの通りにドリルができます。
このガイドを作製すると治療時間も短縮ができ、より精密にインプラントを埋入ができます。
ドリルで埋入する時に摩擦で火傷のような状態になってしまった
インプラントをドリルで埋入する時に注水が足りないと摩擦熱を起こしてしまいます。
そうすると骨が火傷を負ったような状態になり、インプラントと骨が定着せずグラグラするのです。
また、ドリルの切れ味が悪くなっていてオーバーヒートを起こすこともあります。
これらのことが起きるのは、手術する医師の技術力不足が考えられます。
技術力の目安として、インプラント手術をどの位行っているか確認しましょう。
多くのインプラント手術を行っている場合には色々なケースに対応していることが多く安心材料になります。
インプラント周囲炎が起きた
インプラント手術をしてしばらくたった時に考えられるのは『インプラント周囲炎』です。
インプラント周囲炎は汚れが着いたままになっていると、その汚れをえさに細菌が増殖して炎症を引き起こします。
インプラント周囲炎を防ぐには汚れをしっかりと落として清潔なお口を保つことが大切です。
毎日のお口のケアで歯ブラシだけでなくデンタルフロスや歯間ブラシなども一緒に使用しましょう。
汚れを落とし足りない部分を補ってくれます。
また、歯科医院での定期メインテナンスのクリーニングで落としきれない部分の汚れを落としましょう。
汚れが着いている部分は歯磨きの仕方も確認ができます。
苦手な部分の汚れがどこか、そしてその部分の落とし方を確認して毎日のケアに取り入れましょう。
ぐらついた時にしてはいけないこととは?
歯磨きをやめてしまう
ぐらついた歯を下手に触らない方が良いのですが、歯磨きをやめてしまうと汚れが着いてしまい炎症をおこす原因になってしまいます。
炎症が起きている場合にはさらに炎症が悪化する原因になります。また、インプラント周囲炎の原因になってしまうことも考えられます。手や舌で触って動かすことは良くないのですが歯磨きは今まで通り行いましょう。
ぐらついた部分を触ってしまう
ぐらついていると気になって舌や手などで触ってしまうと更にぐらつきがひどくなることがあります。
ぐらついた部分を触り過ぎると、炎症がひどくなってしまうことがあります。
歯科医院に来院するまで極力触らずに過ごしましょう。
自分で接着してしまう
インプラントで絶対に行ってはいけないことが、自分で接着材などを使用して着けようとしないでください。
インプラントは専用の接着材を使用していて、被せ物を外してインプラントやねじの部分を確認できるように取り外しができる状態で着けていることが多いです。
接着材で着けてしまうと外そうとする時にインプラントに強い力がかかってしまい負担になってしまいます。
また、外れずにインプラントごと除去しなければいけない大変なことになるケースも考えられます。
細菌や雑菌を閉じ込めてしまい、『インプラント周囲炎』を引き起こしてしまう可能性もあります。
ぐらついたインプラントを治すには?
インプラントにぐらつく原因はいくつかありますが、自分で治すことはできないのですぐに歯科医院を受診しましょう。
受診するとぐらつく原因を特定していきますが、その際には『いつ頃からぐらついたか?』をお聞きします。
インプラントを入れた直後かしばらくたった後かも確認します。
また『ぐらつき始めた時に変わったことがなかったか?』も確認して生活が忙しくストレスがたまっていると食いしばりが原因のこともあります。
そのほかには生活習慣で毎日の歯磨きの習慣はどうか、食習慣が不規則になっていないかなども確認していきます。
ぐらつきの原因がわかるとすぐに対処もできるので、事前に質問を考えておいてもらうとスムーズに診察ができます。
ぐらつきの原因はいくつか考えられますが、無理に対処しようとせず、すぐに歯科医院を受診しましょう。
すぐに受診が難しい場合には、インプラント部分は触らず食事も硬いものは避けて負担がかからないようにしましょう。