インプラントコラム
COLUMN
インプラントが破損した?インプラント治療のトラブルと原因とは
21.12.30
インプラント治療をして、まれなケースですが、被せ物が入っても外れるトラブルになことがあります。
外れる場所や状態によって元に戻すこともできますが、再手術が必要なケースもあります。
そこで今回はインプラント治療のトラブルと原因について詳しく解説させていただきます。
被せ物が外れた
インプラントの構造は基本的にあごの骨に埋め込まれている「インプラント体」とインプラント体と上部構造をつなぐねじの部分の「アバットメント」、その上に被せる「被せ物」の3つに分かれています。
被せ物はセメントで接着していますが、歯ぎしりや食いしばりなどの強い力がかかり続けると被せ物に負荷がかかって被せ物が外れることがあります。
また頻度は少ないですが、被せ物が破損してかみ合わせが変わり、被せ物が外れることもあります。
そのほかには、被せ物を外してねじの部分の緩みなどを確認できるように仮着にしていることもあるので、その場合にはセメントの劣化などで外れることがあります。
〈外れた時の対応〉
外れた被せ物は誤飲してしまわないように、すぐに口の中から出して保管しましょう。
被せ物は元に戻すと入ることもありますが、アバットメントに緩みが出ている場合やかみ合わせが変わっているとインプラントに負担がかかるのでそのまま被せないように注意しましょう。
被せ物が外れるとアバットメントがむき出しになっていますし、インプラント部分に強い力がかからないようにその部分ではかまないようにしましょう。
そしてすぐに歯医者を受診して被せ物とインプラントを確認しましょう。
アバットメントが外れた
アバットメントのねじが緩んでアバットメントが外れることがあります。この場合も歯ぎしりや食いしばりが原因として考えられます。そのほかには、アバットメントを取り付ける時にねじの締め付けが弱いと外れる可能性があります。
〈外れた時に対応〉
アバットメントはインプラントと被せ物をつなぐねじの部分です。
この部分が外れた時には、被せ物も一緒に外れているはずなので両方保管してください。
外れた場合でも、破損していなければ再度接着できることもあるので、早めに歯医者を受診しましょう。
インプラント体が抜けた場合
被せ物、アバットメントだけでなくインプラント体まで抜けると深刻な状態です。
- インプラント周囲炎
- 埋入した時のダメージ
- 強い力がかかった場合
- 外れた部分に戻そうとする
- ほかの物を詰めようとする
- 長い期間そのまま放置する
- 不具合が起きる前に対処できる
- インプラント周囲炎を予防できる
考えられるのは、インプラント周囲炎で細菌感染を起こして、どんどん進行してあごの骨がかなり減ったケースです。
あごの骨はインプラント体を支えているので、支えが少なくなったインプラント体はグラグラする場合や、悪化すると抜け落ちることもあります。
そのほかには、インプラントを埋入した時にダメージでインプラントが抜け落ちるケースです。
インプラントが適切ではない位置や深さだとインプラントと骨が結合しないことが考えられます。
また、まれなケースではありますが、骨が硬すぎてドリルをする時に摩擦熱を起こして火傷したような状態になり壊死を起こしてあごの骨と結合できないことがあります。
インプラントが定着して被せ物を着ける時にかみ合わせを調整しますが、少しずつかみ合わせが変わることがあります。
ストレスなどで歯ぎしりや食いしばりがある場合にはインプラントに強い力がかかることもあり、インプラントに負担がかかり続けるとインプラントが抜け落ちることがあります。
ただし、定期的にメインテナンスをしているとかみ合わせをチェックできるので、強い力がかかり続けて抜け落ちるまでになることはほとんどありません
インプラントが外れた時にやってはいけないこと
被せ物が外れた場合には、元通りにはめると戻ることもありますが、正しい位置にきちんと入らないとかみ合わせが変わる場合やインプラントに無理な力が加わることもあります。外れた部分はそのまま保管してすぐに歯医者を受診しましょう。
穴が開いている部分を埋めようと綿などを詰めると細菌感染を起こす可能性があります。
また、細菌を閉じ込めてしまう場合もあり、炎症やにおいの原因になることもあるので、ほかの物を詰めることは絶対やめましょう。
外れた部分に痛みがなく、ついつい放置して長期間そのままになると、被せ物の場合にはほかの歯が少しずつ動いて元に戻せる被せ物も作りなおしが必要になることがあります。
また、細菌感染するとインプラント周囲炎を引きおこして、あごの骨が減ってインプラントの再治療が難しくなることもあります。
どの部分が外れても出来るだけ早く歯医者を受診しましょう。
また通院ができない状況の場合にはかかりつけ医に連絡をしてその間どのように対処したら良いか確認しましょう。
インプラントを良い状態で保つための定期メインテナンス
インプラント治療が終わって被せ物が入っても、その後に3~6カ月ごとにメインテナンスを受けることが大切です。
メインテナンスを受けることで防げるトラブルがあるのでご紹介します。
かみ合わせが少し変わった段階やアバットメントが少し緩んだ時点で定期メインテナンスを受けると不具合につながる前に対処ができます。
かみ合わせを調整する、ねじを締めなおすなどの簡単な処置でクリアできるので、良い状態でインプラントを保つための定期名インテナンス重要です。
インプラント治療をすると、インプラントのトラブルの原因になる「インプラント周囲炎」になりやすいので、予防することが重要です。
インプラント周囲炎になると、炎症を引き起こして進行するとインプラントが抜け落ちる可能性もある怖い病気です。
抜け落ちると再治療が必要になりますし、再治療はインプラントを埋入するより難易度も上がります。
そうならないために定期的にメインテナンスを受けてインプラント周囲炎を予防しましょう。
まとめ
インプラントが破損や外れるなどのトラブルを起こさないためには定期的にメインテナンスを受けることが大切です。
インプラントを良い状態で保つためにも、ほかの歯を健康に保つために大切な健診です。
10年保証を受ける際にも、決められた期間にメインテナンスを受けることが条件になのできちんと定期メインテナンスを受けましょう。