インプラントコラム
COLUMN
インプラントを長持ちさせるために大切?「適切な嚙み合わせ」とは
22.01.29
インプラント治療が終わってしっかり噛める様になったら、その状態をしっかりキープしたいものです。
インプラントを良い状態で使うためには、患者様のセルフケアと定期的なメインテナンスが重要になってきます。
そして、インプラントは「適切な嚙み合わせ」を保つことが大切ですが、年齢を重ねるごとに嚙み合わせは少しずつ変化していくことが多いのです。
そこで今回はインプラントを長持ちさせるために大切な嚙み合わせと嚙み合わせが悪いと起きることについて詳しく解説します。
嚙み合わせとインプラントの関係
嚙み合わせで大切なこと
- 嚙み合わせのバランス
- 口周りのバランス(あご・唇・頬・舌のくせ)
- 前後の嚙み合わせが合っている
- 上下左右のかみ合わせが合っている
- かみ合わせの深さが2ミリ程度
- 顎関節症のリスクが高くなる
- 虫歯やインプラント周囲炎のリスクが増える
- 歯の寿命が短くなる
- 定期メインテナンスを受ける
- 爪かみ・頬杖のくせを改善する
- 歯ぎしりがある時にはマウスピースをする
インプラントを良い状態で使うためにはこれらのバランスが整っていることが大切です。ただ、「歯が抜けたまま放置している。」「片方ばかりで噛んで食事をしている。」
などのことが嚙み合わせのバランスを崩してしまい、食事がしにくいだけでなく、あごや全身に影響を与えます。
インプラントは人工歯なので、一番理想的な角度や位置に埋入します。
ただ、口の中は年齢を重ねていくと少しずつ変化してかみ合わせも変わってきます。
その時にインプラントが強く当たってしまうと衝撃でインプラントに負担がかかります。
それは、インプラントは天然の歯と決定的な違いがあり、噛んだ時の衝撃を逃がす「歯根膜」がありません。
そのため、強く当たるとダイレクトに衝撃が加わってしまい、インプラントがダメージを受けてしまうのです。
せっかく入れたインプラントを長く良い状態で保つためには、定期的に嚙み合わせを確認して調整することが大切です。
そのために定期的にメインテナンスを受けてインプラントの状態と嚙み合わせを確認しましょう。
バランスの整ったかみ合わせとは?
整った嚙み合わせは少しだけ上の歯が出ています。
下の歯が前に出ている「受け口」や上の前歯が出ている「出っ歯」は嚙み合わせが悪いので矯正治療をした方が良いでしょう。
まずは、前歯が上下しっかり噛み合っているか確認しましょう。この部分がずれていると、全体的にも嚙み合わせが悪い可能性があります。左右の嚙み合わせがずれていないかもチェックしましょう。
嚙み合わせた時に上下の歯が2ミリ程度嚙み合っていると整った嚙み合わせです。
噛んだ時に2ミリ以上かみ合っている場合や、隙間ができている時にはかみ合わせが悪く、治療をした方が良い状態です。
かみ合わせが悪いと起きること
歯を失ったままで放置していると、左右の歯が傾いてしまい次第に歯並びが悪くなっていきます。
歯並びが悪くなると、見た目が悪くなるだけでなく、口の中に悪影響を及ぼします。
また、歯並びが悪くなって嚙み合わせのバランスが崩れてくると頭痛や肩こりにつながっていきます。
「最近、頭痛や肩こりがひどくなってきた。」という方は嚙み合わせが悪くなっている可能性があります。
顎関節症の原因は1つではなく、いくつかの要因が重なって口が開きにくかったり、口を開けると痛みが出たり音が鳴ることもあります。
嚙み合わせが悪くなってバランスが崩れると、あごに痛みが出る場合やあごの位置がずれてきて顎関節症になりやすいです。
インプラント周囲炎の大きな原因は、口の中に残った汚れの中にいる細菌です。
この細菌が増えるとインプラント周囲炎が悪化して炎症が強くなるので、汚れを残さないことがインプラント周囲炎の予防のために大切です。
嚙み合わせが悪くなると、歯ブラシが当たりにくく汚れが残りやすくなります。
また、唾液が汚れを落としにくくなり虫歯やインプラント周囲炎を引きおこしやすいです。
嚙み合わせが悪いと、バランスが崩れて強く当たっている部分があり、咬む力が強くかかっています。
その部分は負担がかかってインプラント周囲炎になりやすく、歯の寿命を短くしてしまうことがあります。
4 かむと痛みが出ることがある
嚙み合わせが悪いと食事をした時に強く当たって負担がかかっている部分に痛みが出ることがあります。
嚙み合わせを調整すると、痛みが落ち着くことが多いので早めに受診しましょう。
かみ合わせのバランスを整えるには?
インプラント治療をした後にはインプラントに不具合が起きていないか、嚙み合わせが変わっていないか定期メインテナンスでチェックができます。
嚙み合わせは少しずつ変化することがあるので、定期メインナンスで調整して嚙み合わせのバランスを整えます。
爪かみや頬杖をつく習慣があると、歯に力がかかって嚙み合わせが悪くなる原因になります。
また、舌で歯を押す習慣や口をぽかんと開けていると、口周りの筋肉が弱くなり嚙み合わせが悪くなります。
これらの「くせ」があると、嚙み合わせを整えてもまた少しずつ歯が動いてかみ合わせが変わってしまいます。
できるだけ早めにくせをやめるように気をつけましょう。
寝ている時は無意識なので、いつの間にか歯ぎしりをしていても気づかないことがあります。
寝ている時は自分でコントロールすることが難しいので、歯医者で自分の歯に合ったマウスピースを作製しましょう。
マウスピースをはめて歯を保護すると歯を守ることができ、嚙み合わせのバランスを維持しやすくなります。
まとめ
「嚙み合わせ」は口周りだけでなく、全身に影響を及ぼす大切なものです。
特にインプラントは天然の歯に比べて、衝撃をダイレクトに受けてしまうので「整った嚙み合わせ」を保つことが長持ちをさせる秘訣です。
日々の生活で少しずつ嚙み合わせが変わってくるので、定期的にメインテナンスを受けて嚙み合わせを確認しましょう。
良い嚙み合わせは口のバランスを整えて全身に良い効果を発揮しますので、良い嚙み合わせを保ってくださいね。