インプラントコラム
COLUMN
インプラントを長持ちさせる?インプラント位置と方向の重要性とは
22.02.27
インプラント手術を決めた方は「自分の歯と同じように食事がしたい。」「できるだけ長く使いたい。」と思ってインプラント手術をされるのではないでしょうか。
ただし、インプラントの埋入位置と方向が悪いと、インプラントがグラグラして最悪の場合撤去しなければいけないこともあります。
「位置」と「方向」を適切に埋入することがインプラントを長持ちさせるために重要なのです。
そこで今回はインプラントを成功させるための大切なインプラント位置と方向の重要性について詳しくご紹介します。
位置や角度が原因のインプラントのトラブルとは?
- 位置が近い
- 角度が適切ではない
- 口腔内検査
- レントゲン撮影
- CT撮影
- 咬合検査・模型作製のための歯型取り
- 手術が早く終わる
- シュミュレーションで神経を傷つけない
- 長持ちして美しい形態にするために
- 歯ぐきを切らないフラップレスインプラントも可能
インプラントを数本埋め込む場合には、適切な距離を保って埋入することが重要です。
インプラント位置が近すぎると、大きく骨が吸収されることがあるという論文が発表されました。
2本以上連続で埋め込む場合には、3ミリ程度の距離を取ると良いことが分かっています。
2本連続でインプラントを埋入する場合には、平行にインプラントを埋入する必要があります。
ななめに角度がつきすぎると、被せ物を作製する時にすき間がなくなり、歯ブラシが当たりにくくなり、清掃性が悪くなります。
汚れが残りやすくなると、インプラント周囲炎のリスクも高くなり長持ちしにくくなってしまうのです。
術前検査・診断で大切なこと
インプラント治療を行う前に「どのような治療をするのか」診査と診断やカウンセリングが必要になります。
インプラント治療をする前に治療計画を立てるために必要なもので、治療の中でかなり大切なステップです。
全身の診査・診断
インプラントと全身疾患
全身疾患がある患者さまはその疾患によって配慮や薬の調整が必要なことがあります。
事前にどのような全身疾患があるか把握して、担当医と連携を取ってインプラント治療を進めていきます。
インプラント手術部位の診査・診断
インプラントの手術部位をCT撮影で精密に診断していきます。
インプラント手術を安心・安全に行うために大切な診査・診断です。
術前検査の内容とは?
インプラントをする前にいくつか術前検査をします。
この検査で「神経の位置」や「適切な埋入位置」を確認するので、インプラントを成功に導くための大切な検査です。
口腔内検査ではお口全体の虫歯や歯周病も確認します。
インプラントを埋入する部分だけでなく、お口の中のすべての歯と歯ぐきに悪い部分があれば治療していきます。
これは、インプラント治療をした後にできるだけ細菌感染を防ぐために大切なことです。
レントゲン検査では、インプラントに必要な骨の量があるか確認します。
骨の量が少ないままではインプラントの支えが少ないので、インプラント治療ができません。
その場合には、骨の再生療法をしてからインプラント治療を行います。
CT検査は3次元的に立体的な画像を確認できるので、インプラントの精度を高めるために必要です。
レントゲンでは確認できない「神経の位置」や「骨の密度」などの細かい部分を画像で見ることが可能です。
そして、インプラントの「適切な埋入位置」や「適切な方向」をシュミュレーションすることができます。
歯型と取って模型を作製します。また、インプラントはかみ合わせが大切なので、かみ合わせも確認していきます。
インプラント位置の正確な埋入を可能にするサージカルガイド
〈サージカルガイドとは?〉
インプラント手術の時にインプラント位置をサポートする装置を「サージカルガイド」といいます。
この装置を使うと、神経などを傷つけることなく、適切な位置にインプラントを埋入することが可能です。
ドリルを固定する穴が開いているので、そのガイドに沿って埋入すると、インプラントの角度や埋入する位置や深さのズレをほとんどなくすことができます。
サージカルガイドの特徴
サージカルガイドを使うと大幅にインプラント手術の時間が短縮されます。通常のインプラント手術に比べて、歯肉の切開、剥離をする時間を短くできるからです。インプラントが1本の場合には15分程度で手術が終わることもあります。
術前検査でCTを撮影して、シュミュレーションを行いインプラントの埋入位置を確認します。
ただ、手術は人の手で行うので、どうしても誤差が出てしまうことがあります。
そのようなことを防ぐために、サージカルガイドを使用して埋入位置をアシストします。
サージカルガイドを使用して、事前にシュミュレーションすると、被せ物の形態を決めてから土台となるインプラントの位置を決定します。
手術の時もほとんど誤差が出ないため、シュミュレーションした時の形態を再現できます。
サージカルガイドは被せ物の土台となる基礎を正しく作り上げる装置です。
従来のインプラント治療は歯ぐきを切開して、骨の状態を確認しながらインプラントの埋入を行っていました。
サージカルガイドを使用したインプラント手術はガイドに沿った位置にインプラントの埋入が可能です。
そのため、歯ぐきの切開をせずにインプラント手術する「フラップレスインプラント」もできるようになりました。
歯ぐきの切開は腫れや痛みの原因になりやすく、歯ぐきを切開をしないことは患者さまの負担の軽減することができます。
ただし、骨の量などによってすべての患者さまにフラップレス手術が適応になるわけではありません。
診断結果をご説明して、今の患者さまにベストな治療をご提案させていただきます。
インプラントを長持ちさせるための重要なポイントはインプラントの埋入位置と方向です。
その2つを適切な位置にするには「精密な術前検査」と「サージカルガイド」がポイントです。
丁寧」な術前検査をして治療計画を立てることで、インプラントの適切な位置を診断して、サージカルガイドで精度の高いインプラント手術ができます。
サージカルガイドは患者さまの負担も大幅に軽減して治療ができますので、インプラント手術を検討している方はぜひ1度ご相談ください。