基礎知識

インプラントの周りが腫れている?その原因と対処法とは

22.12.28

インプラントをした後に痛みや腫れは出るの?

と気になる方も多いのではないでしょうか。

インプラント手術直後が一時的に痛みや腫れを伴うことがありますが、一般的には痛み止めを服用すると落ちつきます。

それではどのような時に腫れが出るのでしょうか。

インプラントの周りが腫れる原因と対処法について詳しくご紹介します。

 

【インプラント手術直後】

インプラントにはいくつか治療法がありますが、一般的には局所麻酔をして、歯ぐきを切開し、顎の骨にインプラント体を埋め込む手術を行います。

また、顎の骨が少ない場合には、顎の骨をほかの部分から移植する方法や再生する方法を行ってからインプラント手術をします。

 

インプラントが1~2本の場合だと、抗生物質や痛み止めが処方されているので、腫れや痛みを感じる方はそれほど多くありませんが、骨を再生する治療を行うとその分歯ぐきを切開したりするので、痛みが出やすくなります。

 

手術直後の腫れについては身体の正常な反応なので、様子をみていただいて問題ありません。

大切なのは、手術した部分が細菌感染しないように、お口の中を清潔に保つことです。

 

【細菌感染によるもの】

 

インプラント手術を行うためには、お口の中の細菌をできるだけ減らす必要があります。

そのため、むし歯や歯周病がある方は治療をして安定させてからインプラント治療をスタートします。

これは、できる限りインプラント手術をした後に細菌感染を防ぐためです。

 

・院内感染対策ができているか?

インプラント手術の際にも細菌感染をしないように、使用する器具や手術室は無菌の状態で行います。

手術の際に細菌感染を起こさないように、クリニックの手術室や感染対策ができているか確認しましょう。

HPでも感染対策に力を入れているか、確認できるところもあります。

 

また、手術後に細菌感染を起こさないために、指示通りに「抗生剤」のお薬は服用しましょう。痛み止めは痛みが出た時だけ服用する場合もありますが、抗生剤は決められた期間必ず飲み切りましょう。

途中でやめてしまうと、抗生剤の耐性菌ができて、薬が効きにくくなる場合もあります。

腫れや痛みを起こりにくくするためにも、薬は指示通り服用しましょう。

 

【インプラント治療完了後に起きる腫れ】

インプラント治療が完了した後に起きる腫れは、「インプラント周囲炎」「インプラントの緩み」「周りの歯ぐきの影響」が考えられます。

 

インプラント周囲炎

インプラントの周りに汚れがついたままになっていると、歯周病に似た「インプラント周囲炎」を引き起こします。

ただし、インプラントは天然歯と違い、「歯根膜」というクッションの役目をする部分がないので、ダメージをダイレクトに受けてしまいます。

そのため、インプラント周囲炎になると進行が早く、放置しているとインプラントがグラグラして、最悪の場合抜け落ちてしまうことも。

 

そのようなことにならないように、毎日のセルフケアで「正しい歯磨き」が重要です。

1~2本ずつ細かく動かして歯ブラシを当てましょう。

また、歯ぐきの境目に汚れが残ってしまいやすいので、歯ぐきに対して斜め45度位に当てて小刻みに動かします。

 

また、歯ブラシだけでは、60%程度しか汚れが落とせないといわれています。

残りの部分の汚れもしっかり落とせるように、デンタルグッズを併用しましょう。

歯と歯の間がせまい方は「デンタルフロス」、歯と歯の間が広い方は「歯間ブラシ」を使用しましょう。

歯間ブラシは、歯科医院でサイズを確認しましょう。

大きすぎるサイズを使用すると、歯ぐきを傷めてしまうことがあるので、サイズ選びは重要です。

 

インプラントの緩み

多くのインプラントは3つのパーツで構成されています。

顎の骨に埋め込んだ「インプラント体」と被せ物にあたる「上部構造」とこの2つをつなぐねじの部分の「アバットメント」です。

アバットメントと上部構造は清掃や不具合が起きた時のために外せるようになっていることが多く、ねじが緩んでしまうことがあります。

定期的な検診を受けていればすぐに締めなおすことができるので対処できますが、そのまま放置すると、汚れが入り込んで細菌感染を起こしたり、かみ合わせが合わずにインプラントに負担がかかってしまうことも。

そのため、インプラントに違和感があったらすぐに歯科医院を受診しましょう。

ねじをしめなおす処置はすぐに終わります。

 

周りの歯ぐきの影響

インプラント部分に問題がなくても、周囲の歯の歯ぐきが腫れていると影響を受けることがあります。

これは、腫れている歯が歯周病になっている可能性が高く、歯周病菌が増殖しています。

そうすると、インプラント部分にも細菌感染を引き起こし、歯ぐきの腫れにつながることがあるのです。

定期的にメインテナンスをしていれば、周りの歯も含めてお口の中を清潔に保つことができるので、周りの歯ぐきからの影響は受けにくくなります。

 

【腫れがひどくならないようにできること】

・口内環境を清潔にする

患部が細菌感染しないようにお口の中を清潔にしておくことが大切です。

患部は指示があるまで、歯ブラシを当てることができませんが、そのほかの部分は歯磨きしても大丈夫なので、しっかり汚れを落としましょう。

 

・手術部位の刺激をさける

手術した後は傷口になっているので、手や舌で触ると刺激になるのでやめましょう。

また、固い食べ物や辛い食べ物などは食べた時に刺激になる可能性があります。

食事はやわらかいものからスタートして、無理がないように進めていきましょう。

 

・手術直後はアルコール・激しい運動を控える

血流がよくなると、腫れや痛みの原因になります。

そのため、手術から2~3日はアルコールや激しい運動をさけましょう。

 

【まとめ】

インプラント手術後の腫れは2~3日程度であれば、身体の反応なので問題ありません。

手術直後は腫れがひどくならないように「口内を清潔にする」「刺激をさける」「アルコール・激しい運動は控える」ようにして安静に過ごしましょう。

また、細菌感染は汚れがついていることが大きな原因なので、丁寧に汚れを取ってお口の中を清潔に保ち続けましょう。

インプラントはもちろん、ほかの歯も長持ちさせることにつながります。

当院ではインプラントを数多く行っておりますので、インプラントをご検討中の方はぜひ1度お気軽にご相談ください。