インプラントコラム
COLUMN
オールオンフォーを後悔しないために確認しておきたい3つのポイント
23.05.28
少ないインプラントで全体的な機能を回復できるオールオンフォーですが、患者さまのお口の状態によっては、おすすめできない場合があります。
メリットの多いオールオンフォーでもデメリットがあり、適応にならない方もいます。
オールオンフォーを開始する前にきちんと説明をしますが、オールオンフォーの理解を深めて、納得してから治療をすることが大切です。
そこで今回は、オールオンフォーをして後悔しないために確認しておきたい3つのポイントについて詳しくご紹介します。
オールオンフォーとは
オールオンフォーとは4~6本のインプラントで片顎の歯の機能を回復させる治療です。
患者さまのお口の状態によっては、インプラント手術当日に仮歯まで装着することができます。
また、従来に比べて少ないインプラントの本数で負担を軽減でき、治療期間も短いことが特徴です。
ただし、適応条件がすべて歯を失った方もしくは多くの歯を失っている方で残っている歯が機能していない方におすすめの治療法です。
オールオンフォーをおすすめする方
オールオンフォーの治療をするためには、全て歯が無いことが条件になるため、おすすめできる方が限られてきます。
・総入れ歯でしっかり噛めない、合わなくて負担を感じている方
・残っている歯も機能しておらず、残すことが難しい方
・天然に近い噛み心地と自然な見た目になりたい方
オールオンフォーは総入れ歯に比べて固定されているため、安定感がありしっかりとした噛み心地を実感できます。
また、セラミックの素材を選ぶことができるので、透明感があり、変色もしない自然な見た目を手に入れることが可能です。
ただ、オールオンフォーはすべて歯が無い方が適用になるので、まだ残っている歯が機能して残せる状態の場合にはおすすめは出来ません。
総入れ歯の方は全て歯が無いため、総入れ歯にありがちな取り外しをして清掃する手間が負担、硬い物が噛みにくい、ずれたり外れたりするなどの不満がある方におすすめの治療法です。
オールオンフォーをおすすめできない方
無理にオールオンフォーをしようとすると、大切な歯を抜歯しなければいけない場合がありますので、おすすめしていません。
・健康な歯が残っている方
・毎日のケアや定期的なメンテナンスを怠ってしまう方
まだ健康で、使うことができる歯が残っている場合には、オールオンフォーにする際には抜歯が必要になってしまうため、不向きは治療です。
また、インプラントはケアが不十分だと、汚れが残ってしまい、インプラント周囲炎のリスクがあります。
インプラント周囲炎になると、歯周病と同様にインプラントがグラグラしたり、症状が悪化したりするとインプラントが抜け落ちてしまうことも。
できる限りよい状態でオールオンフォーを保つためには、毎日の正しいセルフケアと定期的な検診が大切です。
そのため、セルフケアと定期検診を怠ってしまう方にはおすすめができません。
オールオンフォーをして後悔をした3つのこと
- 技術不足や精密な検査ができずに角度や位置が不適当でうまく噛めない
オールオンフォーは、「角度」「位置」「深さ」のバランスが重要な治療法で、高い技術力を必要とします。
このバランスを的確に埋入するためには、経験や知識が不可欠ですし、精密な検査を行う必要があります。
- インプラント周囲炎になってしまった
インプラント部分はむし歯にはなりませんが、歯周病に似たインプラント周囲炎になることはあります。
このインプラント周囲炎の主な原因は歯ぐきの境目に残った汚れの中に潜む細菌なので、お口の中をきちんと清潔な状態に保つ必要があります。
しかし、毎日のブラッシングが不十分であったり、定期的な検診を受けておらずメンテナンスができていなかったりと気づかないうちにインプラント周囲炎を発症し、悪化してしまうことも。
インプラント周囲炎は自覚症状が少なく、天然歯に比べて「歯根膜」というクッションに役割をする膜もないので、進行が早い特徴があります。
3 人工歯が思っていたものと違った
オールオンフォーはセラミックの人工歯を選択ができるので、自然な見た目を手に入れることができる治療法ですが、ブリッジとは違い、歯ぐきの部分も覆われる構造です。
また、指標となる歯が無いので白さを追求し過ぎると、思っていた以上に白くなってしまい、想像と違っていたということになりかねません。
治療中にしっかりコミュニュケーションを取って、治療の工程を説明してくれる歯科医院で治療をしましょう。
オールオンフォーを後悔しないための対策とは
オールオンフォーを後悔しないためできることをご紹介します。
設備の整った歯科医院で治療を受ける
オールオンフォーをするためには、骨の厚みや密度をきちんと把握して、その上で埋入位置をシミュレーションする必要があります。
そのため、歯科用レントゲンだけでなく、立体的な画像で骨の細部まで把握できる歯科用CTがあるとよいでしょう。
また、インプラントオペ用の個室は、ほかの患者さまが気にならないだけでなく、感染予防対策がしっかりされており、インプラントに力を入れているクリニックが多いです。
毎日の正しいケア、定期的な検診を怠らない
インプラント周囲炎を防ぐためには、お口の中を清潔にして汚れを残さないことが大切です。
そのため、毎日のセルフケアを十分に行うことはもちろんですが、苦手な部分や磨きにくいところは汚れが残ってしまいがちです。
定期的な検診を受けていただくとその汚れを除去し、汚れの落とし方も確認させていただきます。
また、インプラント部分を定期的に確認し、不具合がないかチェックすることで、未然にトラブルを防げます。
【まとめ】
オールオンフォーは総入れ歯だった方も天然歯のような噛み心地を実感していただけて、見た目も自然な人工歯になり、メリットの多い治療です。
ただし、全て歯が無い方が適応になるため、健康な歯が残っている方は適用になりません。
また、きちんとメンテナンスやセルフケアをしていただくことが条件になります。
当院では、オールオンフォーの治療経験が豊富な歯科医師が治療を担当しますので、オールオンフォーが気になっている方はぜひ1度ご相談ください。