インプラントコラム
COLUMN
治療前に確認しよう!インプラントの3つのリスクとは
23.07.31
インプラントは歯を失った時の選択肢として、メリットの多い治療です。
ただし、どの治療にもリスクがあり事前にきちんと確認して、納得してからスタートすることで「こんなはずではなかった……。」と思うことを減らすことができます。
また、そのリスクを避けるためにきちんと歯科医院選びをすることも可能です。
そこで今回は、治療前に確認したいインプラントのリスクについて詳しくご紹介します。
インプラントとは
インプラントは歯を失った部分を補う治療で、顎の骨にインプラント体を埋め込んで、その上に土台を立てて、被せ物をする治療です。
インプラントは歯周病や事故で歯を失った方など、さまざまな理由で歯を失った方に対応しています。
ただし、顎の骨にインプラント体を埋め込むため、顎の骨が少ない方や全身状態が悪い方は配慮が必要な場合があります。
それでは、インプラントのメリットとデメリットを比較しましょう。
インプラントのメリット
・天然歯と同様にしっかり噛むことができる
インプラントは歯の根の部分にインプラント体を埋め込み、その部分を根の代わりとして使用するため、ブリッジや入れ歯と比較して、天然歯と構造が似ています。
そのため、インプラント治療が適切に行われ、セルフケアやメンテナンスも定期的に通っていると、天然と同様にしっかり噛むことができます。
・見た目が自然
インプラントの上の被せ物は、天然歯のような透明感を再現できるセラミックのほか、さまざまな素材を選ぶことができるため、見た目が自然です。
・ほかの歯に負担をかけることがない
ブリッチは、両隣の歯を削る必要がありますし、部分入れ歯は、ばねがかかる歯に負担がかかりますが、インプラントは単独で治療ができるため、ほかに歯に負担をかけることがありません。
・取り外しがないため快適
部分入れ歯は寝る時に取り外しが必要ですし、安定感も少なくなってしまいます。
また、旅行などに行った際に、歯が無い姿を見られてしまうのがストレスになってしまう場合も。
インプラントは、固定されているため、取り外しの必要がなく、人工歯が無い時間がありません。
インプラントのデメリット
・ほとんど保険が適用にならないため、費用が高い
インプラントは、腫瘍や事故で顎の骨を3分の1以上失っている方、生まれつきの疾患で顎の骨を3分の1以上失っている方など一般的なものではありません。
多くの方がむし歯や歯周病で歯を失うことが多いのですが、その場合は対象外で、ほとんどの方が自費治療です。
そのため、保険が適用できるブリッチや部分入れ歯に比べて、比較的費用が高くなることが多くなります。
・治療期間が長い
インプラントは顎の骨にインプラント体を埋め込んで、そのインプラント体が顎の骨に定着するのを待つ期間があるため(3~6ヶ月程度)ほかの治療に比べて治療期間が長くなります。
顎の骨に定着するのを待つ期間は毎週通う必要はなく、経過観察やお口の清掃状況の確認のため何度か来院が必要にはなりますが、それほど多くはありません。
患者さまの予定に合わせて、忙しい時期はインプラント手術を避けるなど、スケジュールを立てることができるため、あらかじめご相談ください。
・外科手術が必要
インプラントは、顎の骨が十分にあって、埋め込むインプラントが1本の場合には親知らずの抜歯程度の負担といわれていますが、外科手術が必要です。
そのため、全身疾患がある方や血液がサラサラになるお薬を服用している場合には、かかりつけの医師と連携して配慮をする必要があります。
・天然歯に比べて、汚れが着きやすい
インプラントは、インプラント体と土台になる部分、そして被せ物の3つのパーツに分かれていることが多く、連結する部分に汚れがたまやすいことがあります。
インプラントは汚れが大敵なので、きちんとセルフケアや定期的にメンテナンスをすることでお口の中をキレイにする必要があります。
インプラントの3つのリスク
・インプラント周囲炎が骨にまで炎症を及ぼすことがある
インプラント周囲炎は、歯周病によく似た疾患ですが、歯周病に比べて進行が早い特徴があります。
これは、インプラントは天然歯に比べて、歯根膜というクッションの役割をした膜がないため、ダイレクトにダメージを受けてしまうためです。
インプラント周囲炎はお口の中の磨き残しの中にひそむ細菌が炎症を引き起こすため、お口の中をきれいに保つことが大切です。
毎日のセルフケアを丁寧に行い、定期的なメンテナンスで汚れを落としたり、不具合がないか確認したりすることで、インプラントトラブルを予防ができます。
・インプラントが骨と結合しないリスクがある
インプラントを埋入した後、顎の骨と定着するために時間がかかります。
その期間中にインプラントの周りが不衛生になると細菌感染を起こして、インプラントがきちんと定着可能性があります。
そのほかには、手術中に細菌感染を起こした場合や骨密度が低くて顎の骨とうまく定着しない可能性があります。
ただし、手術中は感染予防のため、細心の注意を払って個室のオペ室などで手術を行いますし、骨密度は事前の精密検査で確認をして、足りない場合には、骨造成の手術を行うことも可能です。
当院は、事前の精密検査で、骨の量や密度を測定ができる歯科用CTもあります。
さまざまな感染予防対策や事前の精密検査で手術中のトラブルが起きないようにしています。
・出血が止まらない可能性がある
血液がサラサラになるお薬を服用している方は、事前に担当の医師に確認が必要で、配慮が必要な場合には事前の準備が必要です。
ほかのお薬を服用している方や持病がある方も事前にご相談ください。
【まとめ】
インプラント治療は多くのメリットの多い治療ですが、リスクも考えられます。
インプラントの周りに汚れが残ると、インプラント周囲炎になる可能性がありますし、インプラントと骨が結合しにくくなってしまうことも。
丁寧なセルフケアと定期的なメンテナンスで予防しましょう。
また、事前に持病がある方やお薬を服用している方は配慮が必要な場合もありますので、あらかじめご相談ください。