インプラントコラム
COLUMN
負担が少ないインプラント方法を知っていますか?
23.07.31
インプラント治療を検討している方の中には、「痛みが気になる……。」「腫れが気になる……。」といったインプラントに対しての不安がある方もいるのではないでしょうか。
インプラントは外科手術が必要ですが、痛みや腫れ、患者さまの負担を軽減するための方法がいくつかあります。
そこで今回は負担が少ないインプラント方法について詳しくご紹介します。
静脈内鎮静法をする
一般的なインプラント手術は、むし歯治療と同様に局所麻酔で対応することが多いのですが、不安や持病がある方は静脈内鎮静法を行う場合もあります。
静脈内鎮静法とは、手の静脈から鎮静剤を投与して意識を落とす方法です。
全身麻酔とは異なり、完全に意識がなくなるわけではなく、呼びかけには対応ができる程度に意識が残ります。
ほろ酔いやうとうとした状態と表現されることが多く、リラックスした状態でインプラント手術を受けることが可能です。
特に、不安や緊張が強い方、持病がある方におすすめの治療法です。
麻酔の専門の医師が呼吸なども管理するため、全身状態を把握しながら手術ができます。
インプラントガイドを使用する
インプラントガイドとは、事前の精密検査でCT撮影したデータを元にシュミュレーションをして、ガイドを作製して手術の際に使用するものです。
事前に理想的な角度や埋入位置を検討し、その位置にガイドを作製するため、シュミュレーションの理想的な位置にインプラント体を埋入することが可能になります。
また、CTで事前に神経や血管の位置を把握できるため、その位置を避けてガイドを作製ができ、神経や血管を傷つけるリスクを軽減できます。
そのほかには、一般的なインプラントは歯ぐきを切開してインプラント体を埋入しますが、事前に埋入する場所が決まっているため、歯ぐきを切開しない「フラップレスインプラント」も可能です。
メスを使わないフラップレスインプラント
一般的なインプラントは、歯ぐきを切開して、インプラント体を埋め込んでその上に土台を立てて、人工歯を装着するという流れなのですが、メスを使わない「フラップレスインプラント」もあります。
フラップレスインプラントは、歯ぐきの切開や剥離をせずに小さな穴を開けてその部分からドリルしてインプラント体を埋入します。
歯ぐきの切開の必要がないため、縫合やメスを使う必要がありません。
そのため、患者さまの負担を最小限に抑えることができ、腫れや出血を抑えられます。
ただし、骨を見ることがなく手術をするため、難易度が上がります。
そのため、どのクリニックでも対応しているわけではなく、患者さまの骨の厚みや密度などの状況によってはフラップレスインプラントが対応にならないこともあります。
フラップレスインプラントのメリット
・手術時間を短縮できる
事前にインプラントの埋入位置を想定したガイドを使用して手術を行うため、手術時間を短縮することができます。
また、治療の工程が少なくなるため、歯ぐきが治癒するまでの期間も減り、患者さまの負担や不安を軽減することが可能です。
・通院回数を減らすことができる
縫合をしないので、抜糸をする必要がなく、その分通院の回数を減らすことができます。
また、切開をしないため、傷口が小さい(低侵襲)ので、治癒が早く、治療期間も短縮が可能です。
・歯ぐきが下がりにくい
歯ぐきを切開して縫合すると、手術前より歯ぐきがひきつってしまい、歯ぐきが下がってしまう場合があります。一方フラップレスインプラントをすると、歯ぐきを切開する必要がないため、歯ぐきが下がるリスクを軽減します。
・高血圧や糖尿病の方でも治療できる場合がある
高血圧や糖尿病の方は、症状が安定していないとインプラント治療が難しい場合がありますが、フラップレスインプラントの場合には患者さまの負担を軽減できるため、治療できる可能性が高くなります。
フラップレスインプラントのデメリット
・骨の状態によっては適用できない場合もある
フラップレスインプラントは、顎の骨を直接確認することができないため、不確定な要素がある場合適用になりません。
そのため、事前のCT検査で骨の状態を確認し、厚みや高さなどが足りないと判断した場合には、一般的な切開する治療法になります。
・切開手術に変更になる場合がある
インプラント手術中に不確定な要素がある場合には、フラップレスインプラントを中止して、安全性を優先し、通常の切開をする手術に切り替わることがあります。
・高度な設備と知識が必要
骨の量や高さを確認できるCTの機械があり、事前にシュミュレーションができる設備が整っている必要があり、どのクリニックでも行うことができるわけではありません。
また、歯科医師も豊富な経験と知識がある必要があります。
フラップレスインプラントの流れ
STEP1
事前に精密検査を行い、インプラントの埋入位置や角度を検討します。
その位置に的確に埋入ができるように、シュミュレーションした情報を元に「インプラントガイド」を製作します。
STEP2
通常は、切開してインプラント手術をするのですが、「パンチ」を使用して、歯ぐきに小さな穴を開けます。
STEP3
パンチした穴からドリルを使用して、マウスピースの形をしたガイドを使用して、インプラント体を埋め込みます。その上のキャップをつけてインプラント手術は終了です。(顎の骨の状態によっては、仮歯を着ける場合もあります。)
STEP4
顎の骨にインプラント体が定着したら、型取りをして人工歯を装着します。
【まとめ】
インプラント手術はメリットが多く、患者さまの負担が軽減できるように「静脈内鎮静法」「インプラントガイド」「フラップレスインプラント」などさまざまな方法をご用意しています。
できる限り患者さまに寄り添った治療を心掛けておりますので、不安なことや気になることはお気軽にご相談ください、
患者さまのお口の状況とご希望を考慮した方法をご提案します。
また、他院でインプラントができないといわれた方も骨造成の手術などをすると、治療ができる可能性が広がります。その際もぜひお問合せください。