インプラントコラム
COLUMN
オールオンフォーをした時のセルフケアのポイントとは?
23.10.31
全ての歯を失った方の治療法の1つとしてオールオンフォーがあります。
入れ歯と比べて安定性が高く、しっかり噛むことができるようになるため、生活の質の向上につながる満足度の高い治療です。
ただし、正しいケアをしないと、せっかく治療をしたオールオンフォーのトラブルにつながってしまうことも。
大切なオールオンフォーをよい状態で長持ちさせるために大切なセルフケアのポイントについて詳しくご紹介します。
オールオンフォーとは?
オールオンフォーとは、片顎の4~6本のインプラントで、前歯から奥歯までつながっているインプラントのことをいいます。
4~6本のインプラントで12本程度の人工歯を支えることが可能です。
オールオンフォーのメリット
多くの人工歯を最小の本数で支えることができるため、患者さまの身体の負担を軽減することが可能です。
また、1本の失った部分に対して、1本インプラントを埋め込む方法に比べて、インプラントの本数を少なくできるため、費用を軽減できます。
そのほかには、インプラントはあごの骨に埋め込む治療のため、あごの骨の厚みや高さが大切なのですが、あごの骨が少ない部分は避けて、十分にあごの骨がある部分にインプラントを設計できるため、骨造成の手術の可能性も軽減できます。
オールオンフォーのデメリット
ただし、どの治療もそうですが、デメリットもあり、全ての歯が無いことが条件になります。
インプラントと天然歯は構造が違うため、一緒につなげることができません。
そのため、全て歯を失っている方や今残っている歯が歯周病などで使い続けることが難しい方が適用になります。
また、インプラントの中でもオールオンフォーを治療している歯科医院の数は限られており、どの歯科医院でも治療ができるわけではありません。
そのため、オールオンフォーを希望している方はオールオンフォーを行っている歯科医院で治療をする必要があります。
セルフケアが不十分になるとインプラント周囲炎の可能性
インプラント周囲炎とは、歯周病菌が原因で、インプラントの周りの組織が炎症を引き起こしている状態です。
インプラントは、天然歯に比べて歯根膜というクッションの役割をする部分がなく、抵抗力が弱いため、細菌感染をすると急速に骨吸収が進行します。
しかし、インプラント周囲炎は自覚症状が少ないため、いつの間にか悪化していることも少なくありません。
そのため、毎日の正しいセルフケアはもちろん大切ですが、定期的にメンテナンスをしてインプラントの状態に問題がないか確認することが大切です。
定期的にメンテナンスをしていると、不具合が起きる前の段階で処置できることが多く、インプラント周囲炎の予防もできます。
インプラントのセルフケアで大切なこと
インプラントのセルフケアのポイントについてご紹介します。
タフトブラシを併用
天然歯の場合でも、歯ブラシだけでは6割程度しか磨けていないというデータがあります。
毎日歯磨きをしているのに、むし歯になってしまった経験はありませんか?
これは、歯並びが悪い部分や磨きにくい苦手な部分に汚れが残ってしまいがちなためです。
その部分からむし歯や歯周病になることが多く、治療を繰り返しやすい特徴もあります。
そのため、歯ブラシだけでは磨けていない部分は毛先だけのブラシの「タフトブラシ」を併用しましょう。
毛束は1つだけなので、ピンポイントに毛先を当てることができ、汚れを落としやすいです。
通常の歯ブラシは歯の面を磨いて、タフトブラシは汚れている部分を落とすイメージです。
ご家庭の掃除も掃除機だけでは取り除けない部分はほかのお掃除グッズを併用するように使い分けをして汚れを落としましょう。
自分ではどこに汚れが残っているか判断がつきにくい場合には、メンテナンスの時にご相談ください。
クリーニングをする前に汚れが着いている部分を確認してその部分の汚れの落とし方についてもお話させていただきます。
また、患者さまのオールオンフォーは一人一人オーダーメイドの治療なので、患者さまのお口に合ったデンタルグッズのご紹介や落とし方をお伝えします。
歯間ブラシを併用
インプラントの連結部分の下の所は歯間ブラシを併用して汚れを落としましょう。
歯間ブラシには、いくつかサイズがありますが、大きすぎる歯間ブラシを使うと、歯ぐきを傷めてしまう場合があります。
サイズ選びに迷ったら、メンテナンスの時にお気軽にご相談ください。
汚れが着かないように毎食後磨く
歯ブラシやタフトブラシ、歯間ブラシを使っていても、歯みがきをする頻度が少ないと汚れが残ってしまいます。
理想的には、毎食後歯磨きをすることで汚れが落としやすくなりますが、お仕事の都合などで難しい場合には、うがいだけでも効果が変わりますので、うがいをしましょう。
汚れが残ったままになると、少しずつ石灰化をして硬い歯石に変わります。
歯石になってしまうと、歯ブラシなどのセルフケアでは落とすことができなくなってしまいますので、歯科医院での除去が必要です。
歯石はザラザラしており、さらに汚れが着きやすい環境になってしまうため、取り除くことが大切です。
そのため、定期的なメンテナンスで歯石などの汚れが残っていないか確認することもできますし、インプラントの状態もチェックすることができます。
プロケアで行うこと
インプラントのメンテナンスでは
・レントゲン撮影
・クリーニング
・歯ぐきの状態の確認
・骨の状態の確認
・インプラントの状態の確認
・ブラッシング指導
を行います。
インプラント部分はもちろん、ほかの部分もむし歯や歯周病になっていないかなどを確認して、お口の健康も維持できます。
また、自宅でのセルフケアの疑問などにもお答えすることができますので、お気軽のご相談ください。
【まとめ】
オールオンフォーは4~6本のインプラントで12本程度の人工歯を支えることができるため、メリットの多い治療です。
ただし、きちんとセルフケアとメンテナンスをしないと、よい状態で長持ちさせることは難しいため、毎日正しいセルフケアを行いましょう。
定期的なメンテナンスでは、クリーニングも行いますので、汚れが着いている部分の除去をすることもできます。