基礎知識

インプラント治療後の歯磨き粉は変えた方がよいの?

24.02.28

ドラッグストアに行くと、数多くの歯磨き粉が販売されています。

中に入っている成分によって「歯周病に効果が見込めるもの」「ホワイトニング効果が期待できるもの」「むし歯予防の効果が見込めるもの」「知覚過敏の方におすすめのもの」などお口の症状や状態に合った物を選ぶことが大切です。

そこで今回は、インプラント治療後の歯磨き粉は変えた方がよいかについて詳しくご紹介します。

 

インプラント治療後に「フッ素入りの歯磨き粉」は使えるの?

 

 

・フッ素の効果はインプラントにも期待できる

 

フッ素には、「細菌の活動を抑制する働き」「歯を強くする働き」「再石灰化を促す」働きがあり、むし歯予防に効果が期待できます。

インプラントの場合には、被せ物にしますが、細菌の活動を抑制する働きがあることで、お口の中の環境を整えられます

 

また、ほかの歯のむし歯予防効果が期待できるため、インプラント治療後もフッ素入りの歯磨き粉を使用しても問題ありません。

 

高濃度のフッ素にはインプラントの材料「チタン」を腐食する可能性があることが指摘されていましたが、9000ppm以上のフッ素に対してその可能性が考えられます。

一般的に歯磨き粉に入っているフッ素は、高濃度の物でも1500ppm程度なので、その心配はありません。

 

・顆粒入りの歯磨き粉は避ける

 

顆粒は歯ぐきの境目に入り込んでしまい、炎症を引き起こしてしまう可能性があります。

インプラントの部分で炎症が起きると、インプラント周囲炎になってしまうこともあるため、インプラント治療をした際には、顆粒入りの歯磨き粉は避けましょう

 

・研磨剤が入っている物も避ける

 

ホワイトニング効果を期待して、研磨剤が入っている物もあります。

ただし、着色除去の効果がある場合はありますが、歯の表面に細かい傷をつけてしまう場合があります。

インプラント治療をした後は、歯ぐきを傷つけてしまう可能性が考えられます。

研磨剤が入っている物は避けましょう

多くの歯磨き粉が販売されているので、歯磨き粉選びに迷いましたら、患者様に合った物をご提案しますので、ご相談ください。

 

インプラント治療後の歯ブラシは?

 

 

インプラント手術直後は指示があるまで患部が磨かないようにする必要があります。

ただし、ほかの部分は汚れがついたままになってしまうと、細菌が増殖して感染しやすくなってしまいます。

そのため、他の部分は普段通り歯磨きをして汚れを落としましょう

また、強くうがいをすると、傷口が治ろうとしている部分に負担になってしまいます。

優しくうがいをして、傷口に負担をかけないようにしましょう。

 

歯科医師から、インプラント手術した患部の歯磨きのOKが出た場合には、まずは、毛先がやわらかめの物を使って歯ぐきの負担を軽減してください。

 

また、歯ブラシの形状は、歯ぐきの境目の汚れが落としやすい物がよいので、毛先が細くなっている物がよいです。

歯ブラシ選びも迷った場合には、患者さまのお口に応じてご提案しますので、ご相談ください。

 

インプラント手術後の歯磨きの3つの注意点

 

 

  • インプラント手術から2~3日は強いうがいを控える

 

手術直後は歯ぐきが傷口になっている状態なので、強いうがいをすると、傷が治ろうとしている時に刺激になってしまう可能性があります。

そのため、インプラント手術から2~3日は軽めにうがいをして、患部に負担をかけないようにしましょう

 

  • インプラントの抜糸後は丁寧な歯磨きをしましょう

 

インプラント手術の傷口が治癒して、縫合した糸を抜く「抜糸」をした後は、丁寧に歯磨きをしましょう。

特に歯ぐきの境目を意識して、毛先を45度位に当てて1~2本程度を目安に細かく動かしましょう。

歯の面は、歯に平行に歯ブラシを当てて、歯ぐきの境目は別に磨きましょう。

また、歯と歯の間は汚れが残りやすく、歯ブラシだけでは汚れが落としにくい部分です。

歯間ブラシやデンタルフロスを使用して細かい汚れを落としましょう。

 

  • デンタルグッズも併用しましょう

 

歯と歯の間は汚れが残りやすい部分です。

歯間ブラシやデンタルフロスなどを併用して細かい汚れも落としましょう。

歯間ブラシは歯と歯の間に応じてさまざまなサイズが出ています。

大き過ぎるサイズを選んでしまうと歯ぐきに負担がかかって歯ぐきを傷めてしまう可能性もあります。

歯間ブラシのサイズ選びに迷ったらサイズをお伝えしますので、お声がけください

 

また、デンタルフロスも柄がついている「ホルダータイプ」と糸の状態になって入る「糸巻きタイプ」があります。

ホルダータイプは初心者の方でも取り扱いやすく、糸巻きタイプは少しコツが必要ですが、費用を抑えることができます。

 

また、毛束が1つになっている「タフトブラシ」も汚れが落としにくい細かい部分に対応しやすくなります。

ご自分に合ったデンタルグッズを使用してお口の中をキレイにしましょう。

 

歯科医院でのフッ素塗布は控えましょう

 

 

先ほど、フッ素入りの歯磨き粉をおすすめしましたが、歯科医院のフッ素塗布は濃度が高く酸性なので、インプラントの素材のチタンが腐食してしまう可能性があります。

インプラント治療をしたクリニックでは、フッ素をすすめることはありませんので、ご安心ください。

 

転居などの都合で、新しいクリニックに通院した際にフッ素をすすめられた場合には、インプラントをしている旨を伝えましょう。

一般的には、レントゲン写真の撮影をした際に確認ができるので、大丈夫だと思いますが、念のため伝えておくと安心です。

 

【まとめ】

 

インプラント治療後の歯磨き粉は、市販の物で大丈夫ですが、顆粒や研磨剤が入っている物は避けましょう。

歯ぐきの負担になる物を使ってしまうと、お口のケアをするために歯磨きをしているのに、よい結果が得られません。

歯磨き粉選び、歯ブラシ選び、デンタルグッズ選びなど迷った際には、クリニックに相談すると、患者さまのお口の状態に応じてご提案をさせていただきます。

インプラント治療後のセルフケアも大切なので、合わせてお話させていただきます。

当院では、インプラント治療を数多く行っており、患者さまに合わせたご提案をさせていただきますので、お気軽にご相談ください。