基礎知識

入れ歯からインプラントにできる? 入れ歯からインプラントにする時の治療法とは

24.10.31

入れ歯は、取り外しをするため、しっかり噛めない、外れた時に見た目が気になるなどのデメリットがあります。

食事を快適にしたいと入れ歯からインプラント治療を希望する方もいらっしゃいます。

 

多くの方は入れ歯からインプラントに治療することができますが、顎の骨の状態や全身疾患の安定などの条件があります。

そこで今回は、入れ歯からインプラントにする時の治療法についてご紹介します。

 

入れ歯とインプラントの違い

入れ歯の特徴

入れ歯は、保険適用の治療も可能で費用を抑えることができます。

ただし、取り外しするタイプの人工歯のため固定されず、安定感が少なく、ずれたり外れたりする場合があります。

また、部分入れ歯の場合、ほかの歯にばねをかけるためその歯に負担がかかったり、見た目が目立ちやすかったりすることがあります。

 

インプラントの特徴

インプラントは、顎の骨にインプラント体を埋入して、その上に土台を立てて被せ物をするため、固定されて安定感のある治療です。

そのため、天然歯と同様の噛み心地を実感することができます。

また、被せ物はセラミックを選択できるため、見た目が自然で変色しない素材を選択できます。

 

ただし、インプラントは自由診療のため、全額自己負担になり、費用が高額になります。

費用の負担を減らすために、歯科治療用のデンタルローンやクレジットカード払いで分割払いにすることは出来ます。

また、インプラントは医療費控除に対象になるため、確定申告をすると支払った税金の一部が還付されたり、控除されたりします。

 

入れ歯からインプラントに変える時の条件

顎の骨の状態

インプラントは、顎の骨を支えにするため、顎の骨の高さや厚みが十分にある必要があります。

ただし、加齢や歯周病が悪化していると顎の骨が徐々に減少してしまいます。

また、入れ歯にすると、人工歯で歯を失った部分を補うことができますが、その部分の顎の骨には刺激が伝わりにくく、顎の骨が減ってしまう可能性があります。

 

そのため、長期間入れ歯にしていると、顎の骨が足りないため、そのままの状態ではインプラント手術が難しいことがあります。

 

顎の骨が足りない場合

顎の骨が足りない場合は、顎の骨の再生を促す骨造成の手術をします。

インプラント治療と同時に骨充填剤を入れる方法もありますが、大幅に骨が減っている時には、骨造成の手術を行って、骨の回復を待ってからインプラント手術が必要なケースもあります。

 

入れ歯からインプラントにした時のメリット

審美性の向上

保険の入れ歯は、人工歯の部分が変色してしまったり、ほかの歯にかける金属のばねが見えてしまったりするなど自然さに欠ける部分がありますが、インプラントはセラミックの被せ物を選択できます。

変色もせず、透明感の素材のため、ほかの歯となじみやすく審美性が向上します。

 

咀嚼能力がアップする

部分入れ歯の場合は、周りの歯にばねをかけて入れ歯を維持します。

総入れ歯の場合には、歯茎の部分で支えるためずれてしまうこともあります。

そうすると、話す時や食事をする時に不便に感じる場合も多いでしょう。

インプラントは固定式の治療のため、天然歯と同じような噛み心地を実感できます。

そのため、食事の制限もなく、快適に噛むことが可能です。

 

 

発音しやすくなる

入れ歯が安定しないと、発音にも影響が出ます。

空気が抜けたような印象を受けやすくなり、滑舌が悪くなる場合があります。

インプラントにすると被せ物が安定するため、かみ合わせのバランスも改善され、発音に影響が出にくくなります。

 

顎の骨が減少するのを予防する

入れ歯を長期間使用していると、顎の骨に刺激が伝わりにくいため、顎の骨が減少しやすくなります。

インプラントにすると、インプラント体を顎の骨に埋入するため、噛むたびに顎の骨に刺激が伝わります。

そのため、顎の骨が減少するのを予防します。

 

入れ歯からインプラントに切り替える時の選択肢

インプラントオーバーデンチャー

インプラントオーバーデンチャーは、2~4本のインプラントを埋入して、取り外し式の入れ歯を固定します。

歯茎で固定する方法と比較すると、インプラント部分を支えにすることができるため、安定感が良くなります。

 

また、保険の入れ歯と比較すると、自由診療のため自由に素材を選択できるようになり、審美性も向上します。

 

インプラントブリッジ

通常のブリッジは、歯を失った部分の隣の歯を削ってその上に橋渡しのように被せ物をします。

同様に、部分入れ歯をしている場合で、連続で3本の歯を失っている部分はインプラントを埋入してインプラントブリッジに出来ます。

 

オールオンフォー

オールオンフォーは、片顎ですべての歯が無い場合、インプラントを4本埋入して片顎の12本程度の被せ物をすることができます。

失った歯に対して、インプラントの本数を少なくインプラント治療ができます。

インプラント手術の負担と費用の負担を軽減できる治療法です。

オールオンフォーは、欧米で治療が開始されたため、顎が小さく骨が少ない傾向がある日本人の場合は、6本で固定した方が良い場合もあります。

 

また、通常のインプラント治療よりも難しい技術が必要のため、治療ができる歯医者が限られています。

 

【まとめ】

歯を失った時の治療はブリッジ、入れ歯、インプラントが選択できます。

ブリッジは左右の歯が無いとできませんし、連続で2本以上歯を失っていると適用になりません。

入れ歯とインプラントは多くの歯を失っていても適用になります。

入れ歯の場合保険適用ができるメリットはありますが、安定感が少なく、ずれたり浮いたりすることもあります。

しっかりと噛むことが難しいケースも少なくないため、入れ歯の不便さにインプラント手術を希望される方もいます。

顎の骨の状態によりますが、多くの場合インプラント治療が適用になるでしょう。

また、顎の骨が足りない場合も骨造成の手術をした後にインプラント治療をする選択肢もあります。

 

患者様のご希望とお口の状況に合わせて、インプラント治療をご提案しますので、お気軽にご相談ください。