インプラントコラム
COLUMN
歯周病でインプラントするとどうなる?放置した時のリスクとは
26.04.30
「歯周病を放置するとどんな影響があるの?」
「歯周病がある状態でもインプラントはできるの?」
このような疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
インプラントは失った歯を補う優れた治療法ですが、歯周病との関係を正しく理解しておくことが大切です。
そこで今回は、歯周病の状態でインプラントを行うリスクや、放置した場合の影響について解説します。
歯周病がある状態でインプラントはできる?

歯周病が進行している状態のままインプラント治療を行うことは基本的にできません。
歯周病は、歯を支える骨(歯槽骨)や歯ぐきにダメージを与える病気です。
そのため、インプラントを支える土台が弱くなり、安定した治療が難しくなります。
無理にインプラントを行うと、次のようなリスクが高まります。
・早期にぐらつきが生じる
・インプラントが十分に固定されない
・術後に炎症が再発しやすい
こうしたトラブルを防ぐためにも、まずは歯周病の改善を優先し、口腔内の状態を整えてからインプラント治療を検討することが重要です。
歯周病がある方がインプラントを行う際に起こりやすいトラブル

インプラント周囲炎のリスクが高まる
歯周病の経験がある方は、「インプラント周囲炎」を発症しやすい傾向があります。
これはいわばインプラントの歯周病で、細菌感染によってインプラント周囲の骨が徐々に失われていく状態です。
進行するとインプラントが支えを失い、最終的にはインプラントが脱落する可能性もあります。
骨量不足が問題になることがある
歯周病が進むと、歯を支える骨が溶けてしまいます。
そのため、インプラントを埋めるための骨の量が足りない、骨を増やす処置(骨造成)が必要になるケースもあります。
骨造成が必要になると、治療期間が長くなり、費用面の負担も増える傾向があります。
治療の成功率が下がる可能性がある
健康な状態と比べると、歯周病がある場合はインプラントの定着や維持の成功率が低くなるとされています。
歯周病は汚れの中にひそんでいる細菌が原因のため、日頃のセルフケアや定期的なメンテナンスが不十分な場合、長期的な安定が難しくなることもあります。
歯周病をそのまま放置するとどうなる?

歯周病は自覚症状が少ないまま進行することが多く、「気づいたときにはかなり悪化している」というケースも少なくありません。
歯周病を放置することで、さまざまなリスクが高まります。
歯を失う可能性が高くなる
歯周病が進むと、歯を支えている骨が徐々に溶けていきます。
そうすると、徐々に歯がぐらつき、最終的には自然に抜け落ちてしまうこともあります。
歯を失う原因の多くが歯周病であることからも、その影響の大きさがうかがえます。
インプラント治療のハードルが上がる
歯周病を放置すると骨の減少が進み、インプラントを行うための条件が整わなくなる場合があります。
そうすると、
・骨を増やす治療(骨造成)が必要になる
・状態によってはインプラント自体が難しくなる
といったケースも考えられます。
全身の健康にも影響を及ぼす
歯周病の影響は口の中だけではありません。
歯周病が悪化すると、全身への悪影響が指摘されています。
・糖尿病のコントロール悪化
・心臓や血管の病気との関連
・誤嚥性肺炎のリスク上昇
口腔内の環境を整えることは、結果的に全身の健康維持にもつながる重要なポイントです。
インプラント前に行った方が良い歯周病治療
インプラント治療を長期的に安定させるためには、事前に歯周病の状態をしっかり改善・管理しておくことが大切です。
歯ぐきに炎症があるままでは、インプラントの定着やその後の経過に悪影響を及ぼす可能性があるためです。
主な治療内容は以下の通りです。
・スケーリング(歯石除去)
歯の表面や歯ぐきの境目に付着した歯石やプラークを取り除き、細菌を減らします。
・ルートプレーニング(歯根の清掃)
歯周ポケットの奥にある汚れや感染物質を除去し、歯根の表面を滑らかに整えることで、歯ぐきの再付着を促します。
・ブラッシング指導
日常のセルフケアの質を高めるため、一人ひとりの磨き残しや癖に合わせた正しい歯磨き方法を習得します。
・必要に応じた外科的治療
歯周ポケットが深い場合や改善が不十分な場合には、歯ぐきを開いて直接見える状態で、徹底的に清掃する歯周外科処置が行われることもあります。
これらの治療によって歯ぐきの腫れや出血が改善し、炎症がコントロールされた安定した状態になってから、インプラント治療へ進むのが基本です。
こうした準備を丁寧に行うことが、インプラントの成功率を高める大切なポイントとなります。
インプラント後も歯周病対策が重要
インプラントは人工の歯根であるためむし歯にはなりませんが、周囲の歯ぐきや骨は天然歯と同様に細菌の影響を受けます。
そのため、適切なケアを怠ると、「インプラント周囲炎」と呼ばれる炎症を起こし、インプラントの寿命に大きく関わる可能性があります。
そのため、治療が終わったあとも歯周病予防を意識したケアを継続することが重要です。
・毎日の丁寧なブラッシング
歯と歯ぐきの境目を意識しながら、磨き残しが出やすい部分までしっかり清掃することが大切です。
必要に応じて、歯間ブラシやフロスも併用します。
・定期的なメンテナンス
歯科医院での定期検診を受けることで、異常の早期発見やトラブルの予防につながります。インプラント周囲の状態チェックも重要なポイントです。
・歯科医院でのプロフェッショナルクリーニング
自分では落としきれない汚れやバイオフィルムを専門的に除去することで、細菌の増殖を抑え、健康な状態を維持しやすくなります。
これらのケアを継続することで、インプラントを長期間安定して使用できる可能性が高まります。インプラントは「被せ物を入れて終わり」ではなく、その後の管理が成功のポイントとなります。
【まとめ】
歯周病を抱えたままインプラント治療を行うと、さまざまなトラブルにつながる可能性があります。
・歯周病が進行している場合、インプラント治療は基本的に適応が難しい
・インプラント周囲炎を発症しやすくなる
・骨量不足や定着不良など、成功率の低下につながる
・放置すると治療そのものが困難になることもある
こうしたリスクを避けるためには、まず歯周病の治療と日常的な予防を徹底することが大切です。
インプラントは急いで進める治療ではなく、口腔内の環境をしっかり整えてから計画的に行うことが成功への近道です。
少しでも不安や疑問がある場合は、歯科医院で十分な検査と説明を受けたうえで、自分に合った治療方法を選ぶようにしましょう。






