インプラントコラム
COLUMN
治療期間が短縮できる?抜歯と同時にインプラントできる抜歯即時インプラントとは
21.02.16
インプラント治療をできるだけ治療期間を短縮したと思う方も多いのではないでしょうか。
抜歯をしてインプラント治療を行う場合には、炎症が落ち着くまで待つ期間があります。
その期間の後にインプラントの定着を待つので、待つ期間が多いのですが、その期間を短縮できる抜歯とインプラントを同時に行う方法がありますのでお話させていただきます。
抜歯即時インプラントって何?
従来のインプラント治療は抜歯をして、歯ぐきが治癒するのを待ってからインプラント
手術を行う方法でした。そのため歯ぐきが治癒するまで数カ月必要でした。
また、抜歯の時とインプラントの埋入の時に2回外科手術が必要になります。
そして、抜歯した後に治癒を待っている期間はあごの骨に刺激がなく、あごの骨が減少することもあります。
あごの骨が減ってしまうと自然に戻ることはありませんので、減らないように予防することが大切です。
そこで抜歯と同時にインプラントを埋入する『抜歯即時インプラント』という方法があります。
この方法だと当日に仮歯まで入れることができる場合もあり、メリットの多い治療です。
抜歯即時インプラントのメリット
メリット1 痛みや腫れが少ない
抜歯即時インプラントは抜歯した部分にインプラントを埋入するので、従来のインプラ
ント手術で行う『歯ぐきの切開』『歯ぐきの剥離』を行わないので、痛みや腫れを最小
限にすることができます。
メリット2 治療時間や期間を短縮できる
抜歯したところにインプラントを入れるので、骨をドリルする量も少なくできますし、
抜歯した部分が治癒する期間を待つ必要がないのでその分期間を短くすることができま
す。また、抜歯とインプラントの2回で行う手術が1回で済むので患者様の体の負担が少ない治療法です。
メリット3 治療期間も快適に過ごせる
従来のインプラント手術の場合には、インプラントを埋入してから歯ぐきの中で定着を待つことが多く、その期間(3~6カ月程度)は仮歯がない状態のことが多いでしょう。
抜歯即時インプラントの場合には手術当日に仮歯まで入れることができるので、見た目も気になりにくく、食事もしやすいです。
食事に関しては少しずつやわらかいものからスタートして、徐々に慣れていく必要がありますが、仮歯で少しずつ慣らしていくので治療期間中もストレスが少なく過ごすことができます。
抜歯即時インプラントのデメリット
デメリット1 適応できないことがある
あごの骨の厚みが足りない時や、骨がやわらかい場合には抜歯をして骨が治癒するのを
待ってから行う必要があるので、抜歯即時インプラントが適応にならないことがあります。
また、抜歯する歯に大きな病巣がある場合や歯周病が進行していると、適応にならないことがあります。
そのほかには強く当たると負担がかかるので、歯ぎしり・食いしばりがあると適応ができないことがあります。
デメリット2 治療できる歯科医院が限られている
抜歯即時インプラントは従来の治療に比べて、感染防止を考えた縫合や埋入する方向や深さなどを十分に考慮した上で、技術力が必要なので治療ができる歯科医院が限られています。
抜歯即時インプラントの流れ
1 術前
抜歯とインプラントを同時に行うので手術前にシュミュレーションをしてどの位置
にインプラントを埋入するか確認します。
治療計画は事前にお話しして疑問や不安を解消してからインプラント手術を行いま
す。
2 インプラントの1次手術
周りの歯ぐきを傷つけないように丁寧に抜歯をして、その抜歯した部分を利用してイ
ンプラントを入れるので歯ぐきの切開は必要ありません。
抜歯後、炎症部分がある場合にはその部分を除去していきます。
シュミュレーションで決めたインプラントの位置や角度を確認してからドリルをし
てインプラントを埋入していきます。
そして骨の再生を促すために、骨充填剤を入れてインプラントと骨が結合しやすく
します。
歯ぐきを縫合して骨と定着するまでの期間待ちます。
3 インプラントの2次手術
インプラント手術後、個人差はありますが3~6カ月程度期間をおいて骨が定着して
から、歯ぐきを切開して土台を立てていきます。
歯ぐきが治癒したら型取りをして被せ物を作製していきます。
歯ぐきを切開して剥離していないので、歯ぐきの形が変化しにくく、見た目も自然な被せ物ができます。
4 被せ物の装着
型取りしてできた被せ物を装着していきます。
かみ合わせが強く当たるとインプラントに負担がかかるので、かみ合わせを細かく
チェックして調整していきます。
抜歯した後の治療の選択肢は?
抜歯をした時の治療の選択肢は『インプラント』『ブリッチ』『入れ歯』があります。
それぞれ特徴があり、インプラントは保険の適応外にはなりますが、見た目も自然でほかの歯に負担をかけることもなく、安定してしっかりとかむことができる治療です。
また、ブリッチは保険で治療ができて、安定はしていますが、両隣の歯を削る必要があり、隣の歯の寿命を縮めてしまうことがあります。
入れ歯の場合には、ほかの歯にばねをかける必要があり、ばねをかけた歯に負担がかかることや見た目が目立って気になってしまうことがあります。
また、入れ歯の場合には長い期間あごの骨に刺激が伝わらず骨が少しずつやせてしまうことがあります。
インプラントはかむたびにあごの骨に刺激が伝わるので入れ歯に比べてあごの骨が痩せにくい特徴はあります。
抜歯即時インプラントは抜歯と一緒にインプラントを埋め込むことができるので、治療期間を短縮できて、切開しないので体の負担も少ない治療法です。
また、抜歯をして傷口が治るまでに骨が減ってしまうこともインプラントを埋入することで骨が減少することを防ぐことができます。
抜歯が必要になった場合にはいくつか治療法があるので相談してインプラントが希望の場合には、抜歯即時インプラントが適応になるかも確認しましょう。インプラント治療を検討されている場合には1度ご相談くださいね。