インプラントコラム
COLUMN
インプラントの付け替えはできるの?インプラントの再治療とは
21.08.29
インプラントは定期的にメインテナンスをしてセルフケアも十分に行っていると良い状態で長く使用できます。
ただ、少ないケースではありますが『インプラントがグラグラする』『治療したインプラントに痛みが出る』といったお悩みの方もいらっしゃいます。
インプラントのトラブルをそのまま放置してしまうと、インプラントが抜け落ちてしまうという最悪な事態もあるので早めに対処しましょう。
そこで今回はトラブルが起きた時のインプラントの付け替えについて詳しくご紹介します。
インプラントの付け替えとは?
インプラントに何らかの不具合があってグラグラするトラブルを解消する時にインプラントの付け替え(再治療)が必要なことがあります。
インプラントは基本的に歯の根の部分の『インプラント体』、被せ物の部分の『クラウン』、そしてその間をつなぐ土台のねじの部分の『アバットメント』の3つのパーツに分けられます。
インプラントの不具合で多いのが、アバットメントの部分が緩んでいてグラグラするケースで、そのねじを締めることで解消します。
ねじが緩んでいない場合には付け替えが必要か診断をして治療計画を立てていきます。
インプラントの付け替えと言っても、クラウンの部分だけを交換すれば良いのか、インプラント体も含めてすべての3つのパーツを交換する必要があるかによって治療が大きく変わります。
クラウンだけのケース
かみ合わせや食いしばりが強く、マウスピースなどで対応してもクラウン部分が欠けてしまったなどの場合はクラウンの交換が必要なので、型取りを行ってクラウンを作りなおしていきます。
インプラント体も付け替えが必要なケース
インプラント体も含むすべてのパーツを交換する場合は、あごの骨が少なくなる『インプラント周囲炎』が進行していることが多いです。
インプラント周囲炎は汚れが残っていると、歯ぐきやあごの骨をつなぐ歯周組織にダメージを与えて、ひどくなるとあごの骨が減ってしまいます。
そうするとインプラントの支えが少なくなってインプラントはグラグラしてしまいます。
支えを失ったインプラントで維持することが難しいほど骨が減ってしまった場合にはインプラントの付け替えが必要です。
このトラブルになるインプラント周囲炎は汚れが原因でおこるので、予防するには『毎日のセルフケア』のブラッシングが大切です。丁寧に細かく磨いてセルフケアを徹底しましょう。
また、定期メインテナンスでプロフェッショナルケアも受けて取り残しがないようにすることもインプラント周囲炎を引き起こさない対策になります。
インプラントのトラブルで受診した方が良いケース
インプラントの付け替えは歯科医師の判断になりますが、少しでも違和感を覚えたら歯科医院を受診しましょう。
通常は定期メインテナンスで3~6カ月程度で通院してその時にチェックして不具合になる前に対応していきますが、その期間以外でも気になる症状が合ったらトラブルになる前に歯科医師に連絡してくださいね。
・インプラント後にかみ合わせが合っていない
・インプラントから出血やにおいがする
・歯ぐきからインプラントが見えている
・インプラントがグラグラしている
インプラントの付け替えが必要なのに放置してしまうとどうなる?
かみ合わせが変わってしまう
インプラントはかみ合わせが強くなりすぎるとあごの骨に負担がかかるので精密な調整が必要です。
なぜかというと、天然歯にあるクッションの役割をする『歯根膜』という膜がないのでダメージをダイレクトに受けてしまうためです。
また、インプラントがグラグラしているのに放置してしまうと、インプラントに強い力で負担がかかりインプラント部分に炎症が起きてしまう可能性があります。
また、かみ合わせが変わってほかの歯にも負担がかかり顎関節症のリスクや頭痛などを引き起こすこともあります。
インプラント周囲炎がどんどん進行する
インプラントの歯周病が『インプラント周囲炎』です。
インプラント周囲炎になってどんどん進行すると、歯ぐきに炎症が起きて進行するとあごの骨を溶かしてしまい、支えが少なくたインプラントはグラグラしてきます。
そうすると、せっかく入れたインプラントが抜け落ちてしまう可能性もある怖い病気なのです。
そしてインプラント周囲炎の原因は歯に残った汚れのプラークの中の歯周病菌です。
この歯周病菌が増殖してインプラント周囲炎を引き起こすので、お口の中にプラークをためないことがインプラント周囲炎を予防することになります。
またインプラント周囲炎の症状は歯ぐきが腫れる、出血がある、排膿するですが、自覚症状が出てくるのはかなり進行してからのことが多いので注意が必要です。
痛みも少ないのでご自身で気づくことは難しく、定期的にメインテナンスを行っている方はその時に確認できて早めに対処できるので、定期メインテナンスをきちんと受けることがインプラント周囲炎の予防につながります。
歯ぐきの炎症に気をつけましょう
歯ぐきの炎症や出血は痛みを伴うことがほとんどないのですが、インプラント周囲炎の初期の症状です。
歯磨きをした時に出血する、体調が悪い時に腫れる場合に『すぐに良くなるだろう』と放っておきがちですが、その間にインプラント周囲炎が進行してしまうことがあるので『腫れ』や『出血』に気づいたら早めに受診しましょう。
インプラントを付け替えする時の費用は?
インプラントの付け替えの費用は歯科医院ごとに異なります。
10年保証がある歯科医院でも、被せ物の場合とインプラント体に場合で期間が異なっていることもあるので確認しておきましょう。
インプラントを入れてすぐの場合には無償で付け替えを行う場合が多いですが、数年の場合には全額ではなくても費用の負担があることがあります。
また保証を受けるためには、決められた期間にメインテナンスを行うことを条件にしている歯科医院も多く、メインテナンスを受けていないと保証を受けることができないこともあるので気をつけましょう。
インプラントは少しでも気になる症状が出た時に早めに対処することで付け替えなどをせず最小限の対応で済むことが多いです。
出血や腫れなどのサインに気がついた時には早めに受診してインプラントを長持ちさせてくださいね。