インプラントコラム
COLUMN
インプラント治療の痛みはどの位?痛みを最小限に抑えるフラップレスインプラントとは
22.03.27
インプラント治療は、麻酔や治療法の進歩でほとんど痛みを感じにくくなってきています。
ただ、「どの位痛みがあるの?」「いつ痛みが出るの?」と気になる方もいると思います。
歯科治療に苦手意識がある方は、不安な気持ちになることもあるでしょう。
そこで今回は「インプラント治療に関する痛み」と「痛みを最小限に抑えるフラップレスインプラント」について詳しくご紹介させていただきます。
痛みを感じやすいタイミング
- インプラント手術中
- 静脈内鎮静法とは
- インプラント手術後の痛み
- 表面麻酔を行います
- 麻酔液をゆっくり入れます
- 麻酔の温度は体温と同じくらい
- 手術時間・治療回数の短縮
- 患者さまの負担の軽減
- 恐怖心の軽減
- 手術が適応にならない方もいます
- フラップレスインプラントができない医院もある
麻酔をしっかりするので「ほとんど痛みを感じなかった」と感想を持つ方が多いです。ただ、骨を削る時の音や振動は感じます。
インプラントの本数が多い方や歯科治療が苦手な方は、眠ったような状態で治療を受けることができる「静脈内鎮静法」でさらに負担を軽減することができます。
静脈内鎮静法はうとうとして眠ったような状態でリラックスして治療を受けることができる麻酔法です。
半分眠ったような状態にする麻酔法で完全に意識が無くなるわけではありません。麻酔科の先生と連携して、リラックスした状態で手術を受けることができます
インプラント手術後は2~3日は多少に痛みが出る場合があります。
ただ、痛み止めで抑えられるくらいの痛みで、数日で収まることが一般的です。
痛みがないインプラントのための取り組み
麻酔も痛みが出ないように配慮
麻酔の針の痛みを少なくするために、表面麻酔を手術する部位に塗っておきます。
そうすることで、歯ぐきの感覚が鈍くなり、麻酔の痛みをやわらげます。
麻酔液を入れる速度が速いと痛みを強く感じます。まずはそっと麻酔液を入れて、ゆっくり少しずつ追加していきます。
麻酔液の温度は体温と関係していて、体温と差があると痛みを感じやすくなります。そのため、体温と同じくらいに温めると痛みを感じにくくなります。
インプラント手術後のお願い
・処方された薬をきちんと服用する
インプラントの手術後は痛み止めや化膿止めのお薬が処方されます。
これらのお薬はドクターの指示通りにきちんと服用しましょう。
処方薬を決められた通りに服用しないと痛みや腫れが出ることがあります。
・手術当日のお風呂は避けてシャワー程度で済ませてください
・術後2~3日は飲酒を控えましょう
・運動も2~3日控えて安静にしてください
お風呂・飲酒・運動は血流が促進されて痛みや出血の原因になり、痛みも出やすいため2~3日は控えて安静にしましょう。
・お口の中を清潔に保つ
インプラント手術後すぐは患部に歯ブラシを当てないのですが、ほかの歯の汚れはきれいに落としましょう。
周りの歯に汚れが残っていると、細菌感染のリスクが高まるためです。
痛みを最小限に抑えるフラップレスインプラントとは?
一般的なインプラントはあごの骨にインプラントを埋め込むために、歯ぐきを切開して剥離し、インプラントを埋入します。
この方法は、歯ぐきを切開せずにあらかじめCTでシュミュレーションした埋入位置にガイドを使用して埋め込む手術です。
歯ぐきを切開・剥離・縫合するというステップを省略できるので、出血が少なく、痛みを軽減することが可能です。
また、インプラントの埋入位置をサポートする「サージカルステント」という装置で理想的な位置に短時間でインプラント体を埋入できます。そのほかには、歯ぐきを切開しないので、歯ぐきが退縮せずに治癒するので見た目が重視されている前歯のインプラントに適しています
フラップレスインプラントのメリットとは?
歯ぐきの切開や剥離、縫合をしないので手術時間・治療回数を短縮することが可能です。
一般的なインプラントと比較すると、必要最小限な範囲だけ穴を開けるので痛みや腫れが少なく患者さまの負担を軽減できます。
メスを使わないことで、患者さまの精神的負担が少なく済みます。
フラップレスインプラントのデメリットとは?
骨の量や厚みによってはフラップレスインプラントが適応にならず、従来のインプラント手術になることがあります。
歯ぐきから直接インプラントを埋入するので、ドクターの経験と技術が必要になり、どのクリニックでも対応できるわけではありません。
また、手術前にCT撮影をしてコンピューターガイドシステムが必要なので、治療できるクリニックが限られています。
フラップレスインプラントの流れ
STEP1 麻酔
麻酔をして痛みがでないようにします。
STEP2 小さな穴を開けてドリル
パンチなどで小さな穴を開けて、ドリルを通す穴をあけます。
STEP3 インプラント体埋入
歯ぐきの穴からドリルをして、その穴からインプラント体を埋入します。
インプラント体にキャップまたは仮歯を装着します。
STEP4 定着後被せ物の型取り
あごの骨と結合する4~6カ月程度期間を置いて、定着したら被せ物の型取りをします。
STEP5 被せ物の装着
被せ物を調整して治療は完了です。
インプラントのセラミックの被せ物はプラークが着きにくいですが、メインテナンスを怠るとインプラント周囲炎になりインプラントトラブルの原因になります。
長く良い状態で使い続けるためにも、毎日のケアと定期的なメインテナンスを欠かさずに受けてくださいね。
インプラント治療は多少の痛みが出ることはありますが、痛み止めを服用することでほとんどの方が落ち着きます。
また、痛みを最小限に抑えるために「麻酔をする時の工夫」や「静脈内鎮静法」も選択できますし、「手術後の生活で注意すること」をきちんと守っていただくと痛みが出にくくなります。
そのほかには「フラップレスインプラント」で歯ぐきの切開を最小限にして痛みや腫れを軽減します。
痛みに対する不安があって、インプラント治療にふみ切れない方は1度ご相談ください。
最大限痛みに対する配慮で、患者さまの負担を軽減できるよう努めています