インプラントコラム
COLUMN
歯が抜けたままの状態で放置してはいけない?インプラントのすすめ
19.09.30
虫歯や歯周病で歯を失った場合、「一本ぐらい歯を失っても問題ない」と、安易に考える人も少なくありませんが、歯が抜けたままの状態をそのまま放置することは好ましくなく、インプラントや入れ歯、ブリッジで失った歯の機能を補う必要があります。その中でも近年インプラントが治療方法として選ばれるようになり、歯が抜けたまま放置してはいけない理由と共に、なぜインプラントが選ばれるのか、詳しくご紹介して参ります。
歯を失う理由は歯周病とむし歯
財団法人8020推進財団の調査によると、歯を失う理由として最も多いのが歯周病42%、次いでむし歯32%、その他13%、破折11%、矯正1%であり、その他は主に親知らずの抜歯となります。歯を失う理由の多くは歯周病やむし歯という結果ではありますが、これらなんらかの理由で歯を失った場合には、歯を失った機能を補う治療を行わなければなりません。
出典:https://www.8020zaidan.or.jp/pdf/jigyo/bassi.pdf
歯を抜けたまま放置してはいけない理由
抜けた歯の機能を補うために、治療を行わなければなりませんが、「歯が1本や2本、無くても問題はない」と、歯周病や虫歯で抜歯を行ったまま放置してしまう人や、自然と歯が抜けてしまった状態をそのまま放置してしまう人も少なくありません。しかし、歯が抜けた状態のまま放置することは避けるべきだと考えられています。では、なぜ歯が抜けた状態のまま放置してはいけないのでしょうか。1つ1つご紹介して参りましょう。
▼歯がスペースに移動する
歯が抜けたままの状態で放置してしまう場合、歯が抜けて出来たスペースの左右の歯が少しずつ空いている空間に移動する傾向があるために、歯列が乱れしまいには咬み合わせまでもがずれてしまいます。
▼対合する歯が浮いてくる
食べ物を食べるとき、上下の歯が咬み合う状態が通常でありますが、歯が抜けた状態のまま放置してしまった場合には、咬み合う歯が不在となり、徐々に歯が浮いてきてしまいます。もしも歯が抜けた状態のまま放置していて、咬み合うはずであった歯が伸びてきた気がする場合には、これらの理由から歯が伸びていると感じてしまいます。
▼歯槽骨が痩せてしまう
歯を支える骨である歯槽骨は、外部からの刺激を受けない状態が続くと痩せてしまう傾向があり、歯が抜けた状態のまま放置している場合には、上下の歯が咬み合う刺激などが伝わらず後に、インプラント治療を行いたいと思いたったとしても、インプラントを埋め込む歯槽骨が痩せてしまっているリスクも伴うために、インプラント治療をうけることが出来ない恐れもあります。
歯を失った場合の治療であるブリッジや入れ歯は、歯槽骨に刺激が伝わりにくいために、歯槽骨が痩せてしまう傾向にあり、近年ではインプラント治療が治療法として選択されることも多くなりつつあります。
歯槽骨が痩せてしまうと輪郭にも変化が現れ、シワやたるみの原因ともなり、アンチエイジングの観点からも、歯が抜けたままの状態で放置することは避けるべきでしょう。
歯が抜けた場合の治療法
歯周病やむし歯、事故などで歯を失った場合には、放置することなく、失った歯の機能を補う治療を行わなければなりません。以下が歯を失った際の治療法となります。
▼ブリッジ
歯を失って出来たスペースの両隣の歯を土台にし、橋を架ける様にブリッジを設置します。ブリッジは両隣の歯を土台にするために、むし歯になっていない健康な歯を削らなければならないケースもあるために、デメリットの1つとして認識されています。
▼入れ歯
部分入れ歯の場合は、支えとなる歯にクラスプと呼ばれる金属の引っ掛けを掛け、入れ歯をささえ、クラスプを掛けやすくするために、健康な歯を削るケースもあります。総入れ歯の場合には、顎堤と呼ばれる粘膜で入れ歯を支えます。入れ歯は製作後の修理も比較的容易に行うことが可能でありますが、金属のクラスプが口元から見えるケースもあるために、審美性には劣ります。
▼インプラント
インプラントは顎の骨である歯槽骨にインプラントを埋め込み、直接歯槽骨とインプラントを結合させて維持させます。インプラントを歯槽骨に埋め込むためには、外科手術が必要となるために、外科手術に適応できない心臓病や、肝臓疾患、血液疾患などの持病がある場合や、インプラントはチタンという金属で出来ているために、チタンアレルギーなどがある場合には、インプラント治療を受けることが出来ません。
しかし、インプラントは上記でご紹介したブリッジや入れ歯に比べ審美性に優れており、天然歯と比べても見分けがつかない程に透明感のある仕上がりになります。また、ブリッジやインプラントとは異なり、他の歯を利用することなく失った歯の機能を補えるメリットもあり、近年では歯を失った場合に行う治療法の選択肢としてインプラントが選ばれるようになりました。
歯を失った場合に行われるインプラント治療
虫歯や歯周病、事故などの理由で歯を失った場合に行われるインプラント治療は以下の通りに治療が行われます。
1)初診・問診
既往歴やアレルギーの有無、お口の中の状態、レントゲン撮影、咬み合わせの確認を行います。
2)インフォームドコンセント
インプラント治療に適応でると判断された場合、治療への意思を確認します。
3)精密検査
CT撮影や血液検査、模型を製作し更に詳しくインプラント治療を行うために、検査を行います。
4)治療計画の立案
精密検査の結果を基に、治療計画を立てます。
5)インフォームドコンセント
治療計画を患者さまにご説明し、患者さまの不安や疑問に答えし、患者さまからの同意を得た上で、治療へ進みます。
6)一次・二次手術
治療計画通りに治療を進めます。
7)上部構造の製作と装着
補綴物を製作し装着します。
まとめ
今回は、歯が抜けたままの状態でそのまま放置してはいけない理由、歯が抜けた場合の治療方法について詳しくご説明して参りました。「歯が1本や2本抜けたとしても問題はない」と、歯を抜けた状態のまま放置してしまう患者さまも中には見受けられますが、放置してしまった場合には様々な支障をきたす恐れもあるために、歯が抜けた状態のまま放置することなく適切な治療を受けることが重要です。インプラント治療をお考えの場合には、お気軽にご相談ください。