基礎知識

お酒やコーヒーは飲まない方が良い?インプラント手術後に気を付けること

21.01.28

インプラント手術後の過ごし方でインプラント部分が腫れる場合や、痛みが出てしまうことがあります。
特にインプラント手術直後は麻酔がきちんと切れてから少しずつ飲食を行う必要があります。
そこで今回はインプラント手術後に気をつけることについて詳しくご紹介します。
これからインプラントを受ける方は手術後の過ごし方の参考にしてみてくださいね。

インプラント手術後に避けた方が良い飲食物

お酒

 

お酒を飲むと血行が良くなり、腫れる場合や出血しやすい状態になります。
 インプラント手術当日~3日程度は出血がしやすいです。
 お酒を飲んで歯ぐきが腫れると出血しやすくなり、傷口の治りも遅くなってしまいます。
 インプラント手術直後は特に安静にしていただいて、回復をするように環境を整えたいので、手術が終わってホッと一杯飲むのは手術が終わって3日後以降にした方が良いでしょう。

辛いものなどの刺激物

 辛いものなどの刺激がある食べ物はピリピリとした感覚があった方も多いのではないでしょうか。
傷口に辛い物がつくと傷口を刺激して痛みが出る場合や腫れにつながる可能性があります。
辛い物は傷口が落ち着いてから食べるようにしましょう。

 硬い食べ物

 

硬い食べ物をかむ時にはお口全体に力がかかります。
 インプラント部分にも力が入って傷口に負担がかかってしまったり、硬いものが傷口に
当たることで傷口が開いてしまうことがあるので、インプラント手術直後は硬い食べ物
は避けましょう。
 (せんべい・フランスパン・ナッツ類など)

インプラント手術後におすすめの食べ物

インプラント手術後は傷口に負担をかけないあまりかまなくても良い食べ物を食べること
をおすすめしています。
かむことで傷口にも力が入ってしまうと負担がかかるので、『おかゆ』『ポタージュスー
プ』『うどん』『ゼリー』などが良いでしょう。
また、傷口を刺激しないためにも、インプラント部分ではしばらくかまないように反対側で
食べるようにしましょう。

コーヒーは飲んでも良いの?


 

コーヒーは刺激が強いわけではないので、通常通り飲んでも問題ないでしょう。
 ただ、熱いものは刺激となってしまうので、適度な温度のものを飲んでくださいね。

 

食事の時には麻酔が切れてから

インプラント手術直後はまだ麻酔が効いている状態です。
麻酔が効いていると感覚がないので、
・火傷しても気がつかない
・頬をかんでしまうことがある
・飲み物や食べ物を飲んだり食べたりすると口の感覚がなくてこぼしてしまうことがある
などのトラブルがあるので、麻酔がきちんと覚めてから食事をしましょう。
麻酔に効き具合は個人差があるのですが、インプラントが1本の場合にはおよそ2~3時間
程度麻酔が効いているでしょう。

インプラント手術後の生活で気をつけること

激しい運動を避ける

 

インプラント手術後は激しい運動をすると、アルコールと同様に血行が良くなり出血や
腫れに原因になります。
 インプラント手術後2~3日程度はウォーキングやジョギングなどの運動は控えた方が良
いでしょう。
 プールやサッカーなどのスポーツはインプラント手術後1週間程度経過してから行うよ
うにしましょう。
 簡単な家事やデスクワークなどの負担になりにくいものは通常通り行っていただいて問
題ありません。
 ただ、免疫力が低下すると傷の治りも悪くなってしまうので、できるだけ休養を取って
睡眠時間もしっかり確保しましょう。

うがいや傷口の歯磨きを控えましょう

 

インプラント手術が終わって1~2週間程度は傷口が治っていく治癒期間です。
 ぶくぶくうがいをすると傷口が刺激されて傷が開いてしまうことがあるので、うがいは
軽く行いましょう。
 また、お口に汚れが残ったままになるとインプラントにも傷口にも悪影響なのですが、
傷口に歯ブラシが当たってしまうと傷の治りが悪くなってしまうのでインプラント部分
は1~2週間程度たってから行いましょう。
 また、歯磨き粉も清涼感があるものや泡立ちの良い発砲性のあるものは刺激になること
があるので、歯磨き粉を使用しないようにしましょう。
 インプラント用に低発砲で刺激の少ないものであれば、歯磨きをしても良いとOKが出て
から使用しても良いですね。

 

禁煙を心がけましょう

 

喫煙はインプラントにとってリスクが多くなります。
 喫煙の時のニコチンは血管を収縮させて傷の治りが悪くなってしまいます。
また、インプラント手術後はあごの骨とインプラントが初期固定する大切な時期ですが、タバコを吸っていることで血管が収縮して血行が悪くなりインプラントが定着しにくくなります。
 また、タバコを吸っていると免疫力の働きをする『白血球』の活動を抑えてしまい、感染のリスクが高くなります。
 感染症のリスクが高くなると歯ぐきの炎症を起こしやすくなってしまいます。
 そのほかには喫煙をすると唾液が減少傾向になります。
 唾液には汚れを洗い流す『自浄作用』や『殺菌作用』があるのですが、唾液が減少することでその効果が弱くなってしまい、細菌が増殖しやすくなります。
 細菌が増えると、インプラントにとってトラブルの原因になりやすい『インプラント周囲炎』のリスクが高くなります。
 インプラント周囲炎は自覚症状が少ないため、いつの間にか進行してしまい、ひどくなるとインプラントがぐらぐらしてしまう怖い病気です。
 喫煙をしていると、喫煙していない人に比べてインプラント周囲炎のリスクが数倍高くなるのでインプラントしている場合にはできるだけ禁煙を心がけましょう。
インプラント手術後は歯ぐきの腫れや出血を避けるためにお酒や運動などの血流が良くなることは避けて安静にしましょう。
 また、食事もやわらかいものからスタートして徐々に慣れるようにしていくと安心ですね。
 また歯磨きは傷口に触れないようにして、傷口が治るまでは歯磨き粉を使用しないなど工夫が必要です。
 インプラント手術後はインプラントとあごの骨が定着するための大切な期間です。 この時期の生活に気をつけて安定したインプラントの生活を手に入れましょう。