インプラントコラム
COLUMN
インプラントをしたら口臭?考えられる原因と予防法とは
23.03.30
インプラントには口臭がしやすくなる材料は使われていません。
そのため、インプラント治療後に口臭を感じるようになったとしたら、お口の環境が整っていないことが考えられます。
インプラントをして時間が経過している場合には、インプラントに不具合が出ている可能性も。
そこで今回は、インプラントで口臭がする原因と予防法について詳しくご紹介します。
【インプラントで口臭がする3 つの原因】
・ねじが緩んでいるから
インプラントの構造は歯の根の役目をする「インプラント体」その上に被せ物とインプラントをつなぐねじの役目の「アバットメント」、被せ物の「上部構造」の3つに分かれています。
通常は、アバットメントとインプラント体はねじで固定されていて、緩むことはありません。
しかし、インプラント治療をして、定期的なメンテナンスを受けていないと少しずつねじが緩んで、その部分に汚れや唾液が入ってしまうことがあります。
定期的にメンテナンスをしていれば、少しねじが緩んでいる段階で対処ができるので問題にはなりませんが、決められた期間にメンテナンスを受けていないとねじが緩んでいても気づくことは難しいです。
ねじが少し緩んでいてもしめなおせばインプラントに大きな影響が出ることは少ないですが、汚れが入り込んで口臭の原因になる場合があります。
そのため、定期的なメンテナンスでインプラントの状況を確認しましょう。
・磨き残しがある
インプラント治療後に口臭がする場合には、磨き残しがある場合があります。
インプラントは天然歯と構造が異なり、3つのパーツで構成されています。
そのため、パーツのつなぎ目は少し段差ができるので、天然歯に比べるとその部分に汚れが入り込みやすくなることも。
汚れがたまっていると細菌が増殖しやすく、毒素を排出して口臭の原因になってしまいます。
そうならないように、毎日の正しいセルフケアを行うことが大切です。
天然歯の場合でも、歯ブラシだけでは60%程度しか磨けていないというデータもあります。
歯と歯の間を通す歯間ブラシや毛束が少ししかついていないタフトブラシで細かい部分の汚れも落としましょう。
・インプラント周囲炎になっている
インプラントも汚れがついたままになっていると、歯周病に似た「インプラント周囲炎」を引き起こします。インプラント周囲炎は細菌によって歯ぐきとその周りの組織が炎症を引き起こすので、腫れ、出血、膿などを伴い、口臭の原因になることも。
インプラント周囲炎は炎症が広がると顎の骨を溶かして、インプラントの支えが少なくなり、最悪の場合抜け落ちる場合もあります。
さらに、インプラント周囲炎は歯周病に比べて「歯根膜」というクッションの役割をする膜がないので、炎症のダメージをダイレクトに受けてしまい、進行が早い特徴があります。
歯周病と同様、インプラント周囲炎も自覚症状が少ないので、気づいた時には進行しているケースも少なくありません。
いつの間にかインプラント周囲炎が進行していたということがないように、定期メンテナンスでインプラントの状態を把握しておきましょう。
汚れがついているとクリーニングで除去できますし、その部分の汚れの落とし方や患者さまのお口に合ったデンタルグッズもご紹介できます。
【インプラント以外に原因がある場合も】
インプラントから口臭がしているのではなく、ほかの原因が関係している場合があるのでご紹介します。
むし歯や歯周病
むし歯や歯周病が進行すると、細菌が増殖するので、炎症を引き起こして毒素を排出します。
そうすると、強い口臭がする場合があります。
むし歯の場合には、穴が開いている部分に汚れが入り込み、その部分からにおいが発生している場合があります。
歯周病は炎症が強くなって、出血や膿が出るとそれが原因で口臭がする場合があります。
むし歯や歯周病はできるだけ早く治療をしましょう。
また、むし歯や歯周病にならないように予防をすることも大切です。
むし歯や歯周病予防はお口の中の汚れをきちんと除去するのが基本なので、毎日のセルフケアを丁寧に行いましょう。
ただ、苦手な部分や歯並びが悪い部分は汚れが残ってしまいがちです。
そのため、定期的な検診で汚れがついていないかチェックしましょう。
全身疾患が関係している
口臭の9割はお口の中に原因があるといわれていますが、全身疾患が関係して口臭が発生している場合があります。
原因として考えられるには、糖尿病、肺がん、肺気腫、胃がん、肝硬変などがあります。
これらは、全身疾患の治療をしていきましょう。
また、お口のにおいが気になっている場合には、マウスウォッシュや水分をこまめに取る、食後は歯磨きをするなどの対策をすることで口臭が落ち着く場合もありますので、口臭対策も実践しましょう。
舌苔がたまっている
口臭の多くは、舌の上に苔のような「舌苔」がついています。
これは、細菌のかたまりで「唾液が減る」「ストレスが強い」「睡眠不足」「喫煙」などが原因でつきやすくなります。
舌苔を優しく除去する必要がありますが、舌は傷がつきやすく、細かい傷がついてしまうとさらに舌苔がつきやすい悪循環に陥ってしまうことも。
そのため、舌ブラシを使用してやさしく舌苔を落としましょう。
また、お口の中が潤うように水分を多く摂取したり、ガムを噛んだりするなど唾液の分泌を促すと舌苔がつきにくくなります。
また、喫煙は舌苔だけでなく、歯周病やむし歯のリスクが高まったり、お口の中の免疫力が低下したりしますので、できるだけ控えることをおすすめします。
【まとめ】
インプラント治療後に口臭がする場合には、インプラントの周りに汚れがついていたり、ねじが緩んでいたりすることもあります。
その場合には、決められた期間にメンテナンスを受けているとすぐに気づくことができるので早期発見ができます。
また、インプラント以外の原因でむし歯や歯周病、舌苔がたまっているなど他の原因が関係していることも。
その場合も定期的なメンテナンスを受けていると早期に発見ができます。
インプラントを長持ちさせるためにも、毎日のセルフケアと定期的なメンテナンスをしっかり行いましょう。