インプラントコラム
COLUMN
インプラントは保険適用ができるの?
24.01.31
歯を失った時に治療として、メリットの多いインプラント治療。
天然歯のような噛み心地を実感することができ、見た目も自然なので、多くの方に選ばれるようになってきました。
ただし、インプラントの多くは自由診療なので、歯医者によって費用は異なりますが、ブリッジや入れ歯の治療に比べると、費用が高くなることがあります。
インプラントはすべての条件が揃っていることが必要ですが、保険適用になることがあります。
そこで今回は、インプラントで保険適用ができるかについて詳しくご紹介します。
インプラントは保険適用ができるの?
・インプラントが保険適用になる症例
保険が適用になる条件は、「生まれつきあごの骨が3分の1以上失っていること」「事故や腫瘍などが原因であごの骨を連続して3分の1以上失っていること」です。
そのため、一般的に歯周病はむし歯で歯を失った場合には、保険適用になりません。
歯を失う原因第1位と2位の歯周病とむし歯が対象外なので、「差し歯がだめになってしまった」「歯周病で歯がグラグラして抜歯した」などの症例は適用になりません。
・インプラント治療を保険適用できる医療機関
さらに、上記の条件に当てはまった場合でも、インプラント治療を行っている全てのクリニックでインプラント治療ができるわけではありません。
保険適用でインプラント治療を受けるためには、以下の条件をクリアしている必要があります。
・病院であること
・当直体制が整備されていること
・歯科または歯科口腔外科を標榜している保険医療機関であること
・医薬品及び医療機器保守管理にかかる安全確保のために整備されていること
・当該診療科に係る5年以上の経験および3年以上の経験を有する歯科医師が2名以上いること
これらの条件をクリアするためには、一般的な歯科ではなく、大学病院などの規模の病院であることが対象になります。
保険診療と自由診療の違い
・保険診療
保険診療は、健康保険が適用される治療のことで1~3割の自己負担で治療を受けることができます。
むし歯治療で詰め物や被せ物をする場合や入れ歯の治療などが保険治療の対象になります。
ただし、材料や治療法などは詳しく決められており、審美的な部分は考慮されておらず、失った機能面を補う治療です。
・自由診療
健康保険が適用にならないため、10割すべて自己負担ですが、さまざまな治療法や材料から治療を選択することができます。
そのため、歯を失った時のインプラント治療やむし歯の被せ物の中でもセラミック治療などが対象になります。
これらは、機能的な面だけでなく、審美面でも多くのメリットがありますが、保険の範囲では適用にならず自由診療です。
インプラントの費用の負担を軽減する方法はあるの?
・インプラントは医療費控除の対象
医療費控除は、1年間の医療費の合計が10万円(年収200万円以下の方は5%以下)以上の場合、確定申告をして医療費控除をすると、所得税が控除されて、税金の一部が還付される制度です。
医療費控除の対象は?
医療費控除の対象は本人だけでなく、生計を一緒にしている家族の分も対象です。
また、単身赴任や進学などでほかの場所に住んでいる場合も対象になります。
ただし、ご両親が老人ホームに入居して、日常的に別居している場合は対象にならない場合があります。
ご両親が自分で老人ホームの費用を負担している場合、同一の生計をみなされないためです。
一緒に住んでいるかではなく、「生活費を共同にしているか」が判断基準になります。
歯科で医療費控除に含まれる治療は?
インプラントやむし歯治療、歯周病治療などは医療費控除に対象になります。
これらは、失った機能を回復させるために行った治療だからです。
そのため、「ホワイトニング」は審美的な目的としているため医療費控除に対象になりません。
矯正治療は噛み合わせのバランスが崩れている場合は対象になります。
そのため、成長途中のお子さまは医療費控除に対象になります。
審美的に歯を整える目的にセラミック矯正は対象にならない場合があります。
矯正治療は医療費控除の対象になるかは、歯科医師の判断になります。
そのため、治療を開始する前に、医療費控除の対象になるか確認しておきましょう。
医療費控除に含まれる費用
・治療費
・通院にかかる交通費(マイカーのガソリン代は除く)
・服用した薬代
医療費控除に必要な物
・源泉徴収票
・病院の領収書
・確定申告書
・印鑑
・口座番号
・診断書
医療費控除のポイント
デンタルローンやクレジットも対象になる
デンタルローンは契約書が必要になりますが、医療費控除の対象になります。
また、分割で支払う期間が1年以上ある場合でも、総額の金額が医療費控除の対象です。
領収書を保管しておく
医療費控除をする時に領収書は必要です。
また、5年間の保管の義務もあります。
そのため、領収書をまとめて保管しておくと、スムーズに医療費控除の申請がしやすくなります。
医療費控除以外の費用負担を軽減する方法とは?
デンタルローン
デンタルローンは歯科治療のためのローンなので、金利を抑えてローンを組むことができます。
分割払いができるので、支払いの負担を軽減ができます。
ただし、審査を通す必要があります。
クレジットカード払い
ご自分の持っているクレジットカードで分割払いをすることができます。
信販会社によって、上限の回数が設定されていることが多く、デンタルローンに比べて分割できる回数は少ないことが多くなります。
また、審査を通す必要はありませんが、その分金利が高くなることが多いでしょう。
【まとめ】
インプラント治療は一部の症例では保険が適用になりますが、歯周病やむし歯で歯を失った場合は対象になりません。
ただし、医療費控除の対象にはなりますので、確定申告をすると、支払った税金の一部が還付されます。
また、すぐに費用を支払うことが難しい場合には、デンタルローンやクレジットカード払いも対応ができます。
インプラントの費用の負担のことで、不安なことがある場合には、一度お気軽にご相談ください。
患者さまの状況に応じて、費用の負担が軽減できる方法をご提案いたします。